何と名付けて飾ろうか Ⅱ【摂津万里】 (ページ27)

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花の名前７５ページ27

ー更衣室ー

飛鳥川よりも少し確認でスタジオに残った私は、今更衣室まで全速力で駆け抜けている

ヤバい、もしあれを見られたら…

そう、飛鳥川なら勝手に見ると思い走っているのだ

ここ「あっ、みかみんセンパイおつでーす♪」

どうやらもう飛鳥川は着替え終わり、帰るところだった

真白「うん、お疲れ」

帰るのならなおさら怪しい

私は急いでドアを開けロッカーのポーチを確認する

真白「な…ない」

私はそのまま何秒か硬直し、いろいろな事が脳裏に浮かんでぐちゃぐちゃになりそうだ

真白「あ…」

そうだ、はーちゃんとの約束…

万里には…後でちゃんと言おう

ーカフェー

真白「はーちゃん」

八香「まーねぇ！お仕事お疲れ様です」

真白「相変わらず天使だね、はーちゃん」

八香「そんなことないよ、天使はまーねぇの方で…私なんか…」

内気なところがまた可愛い

真白「で、なにかあったの？」

八香「それが…私、アイドルになる事になっちゃって…」

真白「…へ？」

私ははーちゃんの言葉を聞いた後に、山本さんの言葉を思い出した

《そういえば聞いた？ここたんアイドルになるらしいよ》

真白「ちなみに、名前は…？」

八香「えっと…Irisっていう名前」

真白「Iris…」

その名前は山本さんから聞いた名前そのものだった

八香「まーねぇ…？」

真白「あ、ごめんね
今日行った仕事でおんなじ名前のグループの子と撮影したからさ

…はーちゃん」

八香「ん…？」

真白「なにかあったら、絶対にまーねぇか十にぃに言ってね？
九にぃにでも椋にぃにでも、絶対に言うんだよ？」

八香「う、うん…でもね、まーねぇ
十にぃと九にぃには…パパとママにも…このこと言わないで」

真白「え…？」

八香「私のタイミングで…言いたいの…」

真白「…わかった」

そのとき…

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と私のスマホが鳴る

たっちゃん…？

真白「ごめん、ちょっとでてくるね」

八香「うん」

真白「もしもし、どうしたのたっちゃん」

太一《まっチャン！大変なんッスよ！万チャンが！万チャンが…っ！》

たっちゃんは慌てた様子で答える

真白「落ち着いて、万里がどうしたの？」

太一《万チャンが…秋組で劇場の掃除してたときに…
監督先生を庇って…落ちてきた大道具で頭を打って》

真白「…は？」

太一《さっき救急車に運ばれて…》

真白「どこ…」

太一《へ…？》

真白「万里は今どこ！？」

太一《び、天鵞絨病院ッス！》

真白「わかった、今からすぐに行く」