花の名前６９ ページ21
万里side
万里「なんでもう寝てんだよ」
寝室のダブルベットで眠る真白を見て、そう零す
今度は寝息を立ててすやすやと寝ている
万里「真白、起きてんだろ」
真白「…寝てる」
万里「ばっちり起きてんじゃねぇか」
真白「何、かまってほしいの？」
万里「ふざけんな、布団剥ぐぞ」
真白「ちょ、まっ！」
真白は必死な顔して止めるが、俺の手は止まらなかった
布団を剥ぐと、真白のシャツが少し上がっていて
痣のような傷があった
万里「…」
真白「…だから待ってって言った」
そういって真白は体育座りになる
よく見ると足にも足枷の痕が見える
真白「…幼い頃から、抵抗すると躾されて、抵抗しないようにって足枷つけられてた
もう消えないんだよ、撮影のときはメイクで隠してるけど」
真白はそういうと、涙を流した
真白「私、怖い、いつ波野が帰ってくるのか、あんなところ…帰りたくない」
万里「…大丈夫だ、もうアイツはこねぇよ」
俺は真白を抱きしめ、片方の手で頭を撫でる
真白「…でも…また帰ってきたら？」
万里「そんときは、俺が何とかする」
そういうと真白は離してほしそうに俺を押して口を開く
真白「でも私…波野に汚されたんだよ…？」
万里「…知ってる」
真白「…え……」
万里「鈴弥さんのスマホに…お前の写真が送られてきて、そん時見た」
真白「…酷い様だったでしょ……それでも万里は…私でいいの…？」
真白は涙の溜まった目で俺の目を見て言う
万里「馬鹿言うんじゃねえよ」
真白「え…」
万里「今更お前以外を見れるわけねえだろ、馬鹿」
真白「馬鹿って…」
万里「汚されたからなんだよ、んなの俺が上書きすればいい話じゃねえか」
真白は数秒固まって、目を逸らして頬を染める
万里「お前…今照れるのかよ」
真白「うるさいばか」
真白は顔を真っ赤にしながら言う
万里「んじゃ、そういうことだから。上書き、していいか？」
真白「…聞かなくていい」
万里「へいへい」
真白side
〜風呂〜
真白「ん…」
万里「おう、起きたか？」
真白「んー」
そういえば、途中から記憶がない
万里「身体大丈夫か？」
真白「腰が痛いわバカ、バーカ」
万里「だってお前が…いって！抓んな！」
真白「言わなくていい」
目をこすろうと手を上げると
ちゃり…と金属の音が鳴る
考えてみれば
首につめたい感触がある
ネックレス…？
そう思い手にとってみると
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作者名：たむ | 作成日時：2019年3月23日 16時
