何と名付けて飾ろうか Ⅱ【摂津万里】 (ページ15)

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花の名前６３ページ15

あれから数時間、お仕置きという名の暴行をされ続けた

魁「傷つけてすまないね
けれど、これも君のためなんだ。わかってくれるね？」

床に横たわる私を見下ろす様に波野が言う

真白「…」

やっと痛みから解放され、言葉を発する余裕がなかった

魁「マリア」

冷たい言葉にビクリと肩を震わせる

真白「はぃ…かい…様…」

頭がボーっとする

失神したいぐらいだ

魁「まぁ、休むがいいよ
僕はまた仕事があるから、夕食時にね」

全身の力が抜け、私はベットによっかかる

早く…

助けて

真白｢ばん…り…｣

万里side

俺はデートで起きた事件を全員に話した

万里「…」

鈴弥「…マジかよ魁の野郎」

花音「魁？」

鈴弥「あぁ、花音も天馬くんも前回のドラマで共演した
俳優の七海英…その本名が波野魁」

波野魁…？どっかで聞いた事あんな…

万里「そいつってもしかして…真白の婚約者の？」

鈴弥「…そうだ…5歳の時から決まってる」

幸「アイツ…デートの服作るとき、スカートはやめてって言ってきたんだけど
何か関係あるの？」

鈴弥「…長くなりますが
5歳から9歳までの4年間、真白は波野の屋敷に閉じ込められてたんです

あの野郎、変な趣味してて
自分が気に入った相手を自分の人形にして、自分のいいなりにするっていうね

まだ幼かった真白はそれの餌食になった

何せ自分で自覚するほど顔も良いですから、すぐ気に入られて

フリルの付いた服を着せられて、野郎の言う事を誠実に遂行するってだけの生活

ただそこにいる限り、無口・非情の人形にならないといけない

真白は結局俺が取り返したんですが、帰ってきた当初は本当の人形でしたよ

持ち主のいなくなった人形みたいに生きた目してなかったり話しかけられなきゃ動かなかったりしてました」

いづみ「そんなことって…」

臣「ひとつ、質問良いですか？」

鈴弥「はい」

臣「椋と十座とは従姉弟のはずなのになんで２人は知らないんですか？」

鈴弥「真白が、可愛い従姉弟にこんなこと知られたくないっていってたんでね」

椋「そんな…」

鈴弥「あいつのことだし、話して怯えられたくもないしかっこ悪いとこ知られたくなかったんだろ」

すると、鈴弥さんのスマホの通知音が鳴る

鈴弥「…！」

花音「鈴弥さん？」

鈴弥「…波野からです」

鈴弥さんは恐る恐るスマホを操作する

鈴弥「…ッ！」

送られたものを見た鈴弥さんは一瞬で青ざめた顔をした