海にたゆたうタバコの煙１４【ONEPIECE】 (ページ47)

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その予想外な光景に、ぼくらの顔は青ざめた

走り出したベッジに続き、ぼくらは飛んできたシーザーが持っている鏡に走る

奇声の風圧のせいで鏡がちょっと歪んでる気がするけど……

そう思った途端、鏡に亀裂が入った

音を立てて割れただろう鏡に、ぼくらは二度目の絶望を味わった

ここは屋上……他に逃げ場なんてない…！！

だからといって…勝ち目もない…！

「本当か？」

「私をがっかりさせるな、リシー」

静けさの中で、その声が頭に響いた

あァ……うるさい……

本当に

その瞬間、地面がぐらりと揺れた

少しの揺れの後、ぼくの立っている周りから水が噴き出す

体の奥底から何かが溢れ出す様な感覚がする

なんだ……？

…ぼくの体の中から無限に水が湧き出るような……

まるで…この島全部の水分が掌の上にある様な……

周りを見ると、ベッジが能力で自身を城に変え一時的な逃げ場としてみな逃げ込んでいる

だがその一方で、ナミ達が幹部に捕まってしまっていた

いや、考えてる暇なんてない

今はこの衝動に身を任せるだけだ

『〝水刀(アクア・エスパーダ)〟』

ナミ達を捕まえた幹部に向け、攻撃を飛ばす

今までと全然違う威力にナミ達の安否が心配になったが、何とか無事に逃げられた様だ

ぼくはこの場に残り、頭上に大量の海水を溜める

『〝水槽(アクア・シスターナ)〟』

仲間を巻き込まないよう注意しつつ、海水を操る

『〝水災(アクア・カラミティ)〟…！！』

会場にいるビッグマム海賊団を海水が吞み込み、動きを止めた

まだだ……！！

ぼくの視界に、レイドスーツを着たジェルマの姿が映った

ぼくはその方向に手を伸ばし、それとまた目を合わせる

『ニジ！！』

聞こえないだろうぼくの呼びかけに気付いたらしい坊ちゃんがぼくに近づき、その手を取る

指先から少しの痺れが体に周る

どうやら、アイコンタクトだけでぼくのやりたい事もわかったらしい

ぼくは痺れるその手を強く握ると、坊ちゃんも握り返して来る

先程と違った、強い電流が体に周る

ぼくはそのまま痺れる体で奴らを呑み込んだ海水に触れた

『〝水光(アクア・カレント)〟！！！』

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