海にたゆたうタバコの煙２【ONEPIECE】 (ページ35)

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「___様。」

どこかの森で、長い白銀の髪を靡かせた誰かに声をかけられた

その声は凄く優しくて、ぼくを安心させてくれる

夢でよく現れる声だった

「……」

『え……わっ』

白銀の彼はぼくをそっと抱きしめ、ガラス細工を扱うようにぼくを撫でた

誰かわからぬ人に子供扱いをされているようで嫌だったが

ぼくより少し背が高い彼の体温は暖かく、抵抗しようと動かした腕をそっと背中に回し、抱きしめ返した

彼はぼくを優しく見つめて、微笑んだ

その笑顔を見て、ぼくは涙を零した

『………ごめん……ごめんなさい…』

口が勝手に謝罪の言葉を吐き連ねる

『会いたいよ……』

『“アリー”……』

パチッ…と、瞼を見開いた

サンジ「おォ、起きたか」

『…サンジ……』

目を覚ますと、ぼくの顔を覗き込むようにしゃがみこんでいたサンジと目が合う

サンジ「…またか」

ぼくは一人で寝ると高確率で変な夢を見る

そのせいでこの前ナミにも心配をかけてしまって、あれ以降このベッドで二人一緒に寝ることが増えた

バラティエにいたころも同様に、ぼくは変な夢を見た日は必ずサンジの部屋に侵入して一緒に寝ていた

『…うん』

どうやら寝ているときに泣いていたようで、起き上がったぼくの目元をサンジが拭う

『…サンジ』

サンジ「ん」

ぼくはサンジにキスをして、胸に抱き寄せ、綺麗な金髪を優しく撫でた

サンジ「…“白銀の彼”の夢か？」

『うん…』

ぼくの力ない返答に、次はサンジからキスをした

サンジ「とりあえず、メシだ。早くしねェとルフィに食われるぞ」

『じゃあ、早くいかなきゃね』

ぼくはそう言ってベッドから立ち上がり、サンジと共にダイニングに向かった

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