呪いの子、拾いました 3【五条悟】

口 ページ31

2018年 10月31日



　
21時04分




渋谷駅前






「……随分人多いね。ハロウィンだし渋谷だし。
それを見込んでこの日に態々帳を下ろしたのかな」




「しゃけ」






僕たちの前にいるのは、人、人、人




ハロウィンイベントだから仮装してる奴らがほとんどだ






先程、棘さんから借りたメガフォンでこいつらに指示を出し、今はそのおかげでほとんどの奴らは大人しく座っている






「これがどのくらい持つか、だよね。

最初は大人しく従ってくれるけど、時間が経つにつれ駄々をこねる馬鹿が出てくる」




「高菜……」



「ごめんね。夜になると口が悪くなるらしいの、僕。恵が言ってた」




どうにかして直さないとな〜、なんて呑気に考えていると





「おい！そこのガキ！！状況を説明しろ！！」




一人のゴツい男が立ち上がって僕たちに向かって怒鳴ってきた





「指示を出してから約30分。もうリタイヤしようとする奴がでたよ。

我慢のできない大人はクソだねぇ〜」




隣にいる棘さんにだけ聞こえる声で呟く





これ以上騒がれたら面倒なので、とりあえずそのオッサンに向かって言い返す





「何度も言わせんな。今の渋谷は危険だ、こうやってじっとしていることしかここにいる人間はできないんだよ！」




「ンだと！？テメエ、指示出して素直に従ってると思ってたら大間違いだかンな！！」





大股でこちらに歩いてくるそいつ





ガタイからしてヤクザとかやってたのかな






「大人しくくたばるのはテメエらの方だ！！！」





特に何も言っていない棘さんに、男が拳をぶつけようとしたその時





「………少しは黙ってろ、このクソ野郎」






僕はそいつの拳を掴み、背負い投げをして地面に叩き付けた

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