呪いの子、拾いました【五条悟】 (ページ3)

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出会いページ3

「………あれ。もしかして通じてない？」

僕の前にしゃがむ男が僕の顔を覗き込む

「～～っ！……ぁ……………」

「あー、なるほどね。声が出にくいってわけか。
んじゃあまず、この鎖を外そうか」

僕を縛る鎖に触れたと思うと、それは粉々に砕け

ぱらぱらと軽い音を立てて床に落ちた

「でさ、君」

先程とは違う声に驚き、肩を小さく揺らしてしまった

「おおっと……怖がらせるつもりはないよ。
それで、君に質問だけど

僕と一緒に『外』、出ないかい？」

『外』？

久しぶりに聞いた言葉で、目を大きく見開く

僕の前にいるこの男の服装も、僕が知っている時代にはなかった

きっとそこは、知らないものがたくさん溢れた場所になっているのだろう

「あははっ、驚かせるつもりはなかったけど驚かせてしまったみたいだね！

………さあ、君の答えは？」

怪しそうに笑う彼

でも、悪い人では無さそうだ

僕はゆっくりと頷いた

「おぉ、オッケーってことね。んじゃ早速外に行こうか！
ささ、早く立って」

差し伸べられた手に自分の手を重ねる

つもりだったが、身体に思うように力が入らずそのまま前に倒れる

「ありゃ？……これは相当弱ってるねぇ」

明るい口調のまま、僕の頭を撫でたかと思うと

今度は僕を抱き上げた

「ぅ…あ…………！」

「うわぁ～、めっちゃ軽いじゃん。ちゃんと食べてる？

って食べてるわけないか。なにせ1000年以上ここにいるとか言われてるくらいだしね」

「せ…千年？」

「あ、喋った。………ん～、そうだね。
君はまだ知らなくていいことかな」

気にしなくていいよ、と言い、僕を横抱きにして歩き始めた男
　

「よし！恵に自慢してこよ～っと！」

目隠しをしているし、こいつは普通の人間ではないのはわかるが

僕を殺そうとしたあいつら(・・・・)から伝わった『悪い感じ』は、こいつにはなさそうだ