呪いの子、拾いました【五条悟】 (ページ40)

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言伝ページ40

虎杖side

______________プツン

高専で映画を見る訓練をしていると、突然

何かが切れた音がした

耳で聞こえたのではなく、なんかこう

遠くの方で切れた感じ

『………おい、小僧』

「何。今映画鑑賞中なんだけど」

『Aが死んだ(・・・)』

「うん。…………………は？」

死んだ？

Aが？

「意味わかんないんだけど。そもそも、なんでそんなことがわかるの？」

『貴様も聞こえただろう。何か切れる音が』

「……ん、まぁ。それが何」

『あいつが死んだことを意味したので間違いないだろう』

そういえば、今の音が聞こえた時

心の何処かに空洞が空いた様にも感じた

「ていうか、何でAが死んだの？誰が殺したんだよ」

初めはわからなかったAの『死』も

少しずつ、実感が湧いてくる

『……………』

「なぁ、聞こえてる？」

急に静かになったと思えば

後ろのドアが開く音がした

「五条先生！さっき宿儺が言ってたんだけど

………っ！？」

『小僧、身体を寄越せ』

グッ、と今までに感じた事のない強い圧迫感に襲われる

「ちょっ………ま、待って！宿儺！」

「悠仁！」

五条先生の声を最後に、俺の意識は飛んだ

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
宿儺side

「……どういうことだ、貴様」

不愉快だ

今まで生きてきた中で最も不愉快な時間だ

Aを殺した奴が

目の前にいるこいつだということを

己で確信している

「………………ごめん」

「遺言はそれで良いのか」

「違う。……最期にAが、宿儺にはそう言っておいてって」

瞬間、こいつと俺の間に

風が通った

扉も開いていない密室空間に、温かい空気が流れたのだ

「…………………そうか。Aに免じて許してやろう」

『ありがと、お兄ちゃん』

『僕もお兄ちゃんにまた会えるのを、楽しみにしてるね』

『だからお兄ちゃんも待ってて』

絶対に来ないと分かっていたが

俺は、心に響いたあいつの声に

頷いてしまった