5話 ページ6
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待ち合わせ場所である、ホテルの前に私は佇んでいた。
任務や内容はこう。
現在パーティーが開かれている
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ターゲットはとある会社の社長
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情報が入ってるUSBは部屋の中?
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いい感じに部屋に入る
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盗んでからの暗殺
いやー完璧だね! この私の完璧なメイクとドレスがあれば、まぁ男1人くらい簡単ですよー
「……貴方がロゼですか?」
「わー、あむ、バーボンさんですね!」
「えぇ、まさか貴方だったとは…」
「やっぱりポアロでの私の勘は間違っていなかった!」
「…驚かないんですか?」
「んー、そういう気はしてたので? 別に」
「そうですか…では、行きましょうか」
「ふふ、お願いしますね?」
満面の笑みを貼り付け、猫撫で声をつくる。
自分が美人だとは一度も思ったことないが、化粧してドレスに身を包めば、中々いい女なんじゃないかと思う。
そう、完璧。 これなら落とせる。
「えー、あれが社長ですかね?」
「そうでしょうね。 では、貴方は上手く彼の懐に潜り込んでください。 このインカムから貴方が合図を出したら、僕が入って暗殺します」
「私が殺りますよ〜?」
「それじゃあ二人で来た意味がないでしょう」
「ま、それもそうですね! じゃあ行ってきまーす」
っと、とりあえずシャンパン片手に近づくか。
美味しそう、飲みたい… うん…でも酔ったらダメだから、我慢!
「っ! すみません、あのっ、本当に、ごめんなさい…!」
「…おや、お嬢さんこそ大丈夫かい? ドレスが濡れてしまっているね… 」
「私のことは気にしないでくださいっ! 社長こそ、大事なスーツが濡れていますわ… どうしましょう…」
偶然を装って、シャンパンをぶっかける←
私のドレスにもついちゃったなぁ、これは予想外。
勢い良すぎたかな?
今回のターゲットである社長は、丸々と太っていてる中年のおじさん。
いかにも、金持ちって感じ!
まぁでも、酔いも回っていることだし… これは落ちたな?
「そうだねぇ… 私の部屋に代えのスーツがあるんだ。君のドレスも拭いてあげよう」
「まぁ、いいんですか…?」
「私の不注意もあるからねぇ。お嬢さん、案内しますよ」
自分の不注意って… 私がかけたんだけどね←
ちょろいおじさんだな… 大丈夫か、この会社。
バーボンに小さくOKサインを出し、彼の腕に自分の腕を絡める。
ふふ、ここまで、予定通り。
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作者名:紅月 | 作成日時:2020年3月1日 13時