ナイトジュエリー 2nd

幸福のオパール ページ9

有岡の家は収入の面から恵まれていない



今使っている携帯も母親が無理して買ったのだ



そして家に帰ると酒癖の悪い父親と有岡を見下す兄がいる



父親と兄とは有岡は血が繋がっていない



所謂、再婚相手なのだ



父親は母親に対して失言を良くする



自分は働かず、母親の働いたお金で酒を飲んでいるのだ



兄は有岡と自分を比べる



勉強が出来ない弟(有岡)と出来る自分(兄)



スポーツが出来ない弟(有岡)と出来る自分(兄)



そしていつも言われるのが



「お前と兄弟でいるのが恥ずかしいよ」



なので有岡は苗字を父方ではなく、母方の方で名乗っているのだ




「大ちゃん。お風呂開いたよ」



2年生に先にお風呂に入ってもらい



自分は最後に入った



「…幸福じゃないな」



有岡が風呂から上がると携帯にメールが来ていることが分かった



相手は兄からであった



『バカなお前と付き合うほどだから余程のバカなんだな』



有岡は一気に頭に血が上る



「ちょっと電話してくる」



有岡は迷惑にならないように外に出て兄に電話をかけた



兄はワンコールで出た




『何？こっちはお前ほど暇じゃないんだけど』



「ふざけんなよ!!俺はバカにしていいけど友達までバカにすんじゃねぇよ!!」



有岡は声を荒らげる



『…それだけ？伝えたいのって』



有岡は兄の言葉に腹が立つ



「それだけって…友達をなんだと思ってんだよ!!」



『うるさいな。お前は騒ぐとこしか出来ないのか？』



「兄貴が友達をバカにするからだろ!!」



兄がため息をついたのが電話越しに聞こえた



『大貴。俺とお前の違いを教えてやる』



『全てが出来るか、出来ないかだ』

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