ナイトジュエリー

癒しのアクアマリン ページ31

シャッターを切る音が何度も聞こえる



植物の写真や人間の写真まで



カメラを持った中島はたくさんの写真を撮っていた



納得のいく数枚が撮れるまで何度も繰り返し



「裕翔くん？



休憩しよう？」



そこに声をかけたのは同じ写真部で同学年の佐藤勝利であった



「大丈夫。



まだ、納得のいく物が撮れてない」



しかし、その誘いを断る



佐藤はそのまま休憩に入っていった



「裕翔くん、まだ撮ってるん？」



「そうみたい。



納得のいく物が撮れるまでだって」



佐藤が話しているのは重岡であった



重岡も写真部である



2人は必死で写真を撮る中島の後ろ姿を見ていた



そんな中島も2人を横目で見ていた



そろそろ写真部にとって大きな大会が近い



それなのに呑気に休憩をしている2人が分からなかった



「癒しを求めなって…」



友達に言われること



裕翔はもっと癒しを求めなよ



「必要ないし」



中島はシャッターを切っていく



それからどのくらい経ったのであろう



ようやく納得のいく写真が撮れたのだ



そこから休憩に入る…



かと思いきや、すぐに暗室に向かう中島



「裕翔くん？



休憩しなくてええんか？」



用事で帰ろうとする重岡に言われた



「時間が無い」



「ちっとは癒し求めた方がええでー」



その言葉に中島は何も返さなかった

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