【ブラックペアン】オペ室の五人。 2 (ページ26)

今日:10 hit、昨日:15 hit、合計:25,910 hit

紫芋のモンブラン 8 ページ26

爽太郎は真っ白なドアを横にスライドさせ松本のもとへ歩み寄った。

爽太郎は何も言わず松本を抱きしめる。

「あにきぃ‥あにきぃ‥！！！」

何かの糸が切れたかのように涙が溢れ出した松本の目に爽太郎は優しく微笑みながら涙を拭く。

「左手‥、動かないんだろ！？

医者なんかできねーじゃねーか！

俺が悪いんだろ！？

俺が車で送ってよ。って頼んたからだ！

俺が全部‥『黙れ！お前は悪くない』！！」

爽太郎は声を張り上げて松本を包み込む。

松本でさえ大きいが兄のそうだのほうが一回りでかい。

体ごとすっぽり包み込まれたのだ。

驚きで一瞬、松本の涙がとまったがまた涙が一筋松本の頬をつたう。

「お前はわるくない。

落ち着け。」

ふっと意識を失う松本。

それを合図に入る四人。

二宮は櫻井に押され静かに病室へと入る。

「言ったろ？

こんな感じだって」

大野が眉を下げてつぶやく。

二宮も思ったより重症だったのか言葉を失う。

「こんなので‥大丈夫なの？」

「ニノちゃんらしくねーぞ。」

爽太郎が二宮の背中を叩く。

「だって！！」

二宮は声を張り上げたもののその先の言葉が見つからない。

爽太郎は優しく背中をなで静かに松本を見つめていた。