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紫芋のモンブラン 5 ページ23
「救急車、通ります！」
大声を張り上げ、走り行く看護師達。
大野はできる限り、近くにいたいものの、はねのけられる。
松本や櫻井は自力で立てるため、診察室へと投げ込まれた。
大野は念のためと言うことで病室に案内されたが、断って、手術室の前に立っている。
後ろからぶつかってきた軽自動車の運転手は軽傷でしゃべれる状態だった。
大野はへらへらしている、中年の太り気味の男に、サツイが湧いた。
なんで、こいつは助かったのに、二宮は爽太郎はこんなにも重症なんだ。
相葉だって今は意識が回復したものの、もしかしたらひどいことになっていたかもしれない。
二宮は後遺症…下手したらこの世からいなくなる。という可能性も否定できないし、爽太郎は医師生命を絶ってしまうということは目に見えていたし、下手したら左手障害を残すかも知れない。
大野は自分に何もできない悔しさと、二宮と爽太郎の容体を思い悩み、気持ちを焦らせていた。
何よりも気にしていたのは、松本が目を覚ましたとき、爽太郎の左手が使えなくなっていたら…
、
、
、
間違いなく自分を責め、精神面に不調を訴えることだ。
これで精神が病んでしまえば…
親がいない松本一家は崩壊の道へと進んでしまう…
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作者名：ブラぺ | 作成日時：2019年6月23日 0時
