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紫芋のモンブラン 2 ページ20
「懐かしいな。潤」
「なんで兄さんがここにいるんだよ」
目を点にして呆れたように聞く松本
「いいじゃねーか！
愛する弟に会いたかったんだよぉ〜！
天使にもな！」
満面の笑みを二宮に向ける兄 爽太郎。
その笑みに張り付けた笑みを浮かべ後ずさりする二宮。
「にののどこが天使なんだよ」
と、すかさず突っ込みをいれる松本。
「なにをいってるんです？潤君。
こんな可愛い天使、みたことありますか？
にのちゃんのどこが悪魔なんです？」
「わかったよ！」
「てか兄ちゃん帰ってくれ！
この後オペがはいってるんだよ！」
「おやおや！さすが俺の弟だ。
一人前になったな」
「あの事件がなければ俺は別の仕事に就いてたけどな」
「むぅぅ！潤ちゃん！
そんなこと言わないでよぉ！」
「キモ兄貴！
でてけ！」
一瞬にして医局は笑いに包まれた。
あんな事件がなければ、よかったのに...
医局の片隅で二宮は顔を伏せた。
その様子に気が付いた大野は二宮の横に立ち寄る。
「ま、気にしなくていいよ。
あの事件があってからこそこんなに絆が深まったんだ。
感謝しかないよな。あの兄ちゃんには。」
二宮は大野の横顔をあわててみた。
ふにゃっと笑うその顔はいつもよりたくましく思えた。
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作者名：ブラぺ | 作成日時：2019年6月23日 0時
