緑の木の下で。 5 ページ16
次に相葉が目を覚ましたのは一角の病室だった。
そばには二宮と松本がいた。
「...あ、あれ...？手術は...？」
「送血管と脱血管のミス。ちょっと呆れたよ(笑)」
その言葉に頭を抱えた相葉。
「この俺がそんなミスを犯すなんて...」
「自分に自信を持ちすぎ。いいことだけど相葉君は持ちすぎだね」
松本が呆れたように笑う。
相葉はショックで貧血になっていたそうだ。
「お大事に。
担当医の人には言っておいたから」
二宮と松本は相葉の点滴の速度を変えてから病室を出ていく。
「うお！ニノたちきてたの？」
二宮達が帰ってしばらくしたとき大野と櫻井も病室に顔を出していた。
「いやーねー。さっきのニノたちの剣幕すごかったよね！」
「うんうん。翔君でもあそこまでならんよな」
「どういうこと？」
「俺と翔君とで書類の片づけに行ってたんだよ。
そしたらさ、怒鳴り声と切羽詰まった声が聞こえてさ、なにごとだろ？っておもって顔を覗かした らニノと松潤が東山さんに謝っててさ、よーく耳を澄ましたら
『次からはしっかり相葉に話しておくので、クビはなしにしてもらえませんか！』
って180度に頭を下げて謝ってたの。
松岡先生もさあの二人見てたら東山先生に許してもらえませんか？って渋々というかマジな目で訴えてたの。
だから相葉君！ニノと松潤に感謝するんだよ〜。
クビじゃないから！
そのかわり。二度とこんなこと犯すなよ。
後悔するより前を向いて歩いたほうがいいぞ。
ニノがそう言ってた。」
それだけ言って二人は何処かへ行ってしまった。
相葉は西日に横顔が照らされていて、どんな表情だったかは見えなかったが綺麗な一筋の涙が端正な輪郭をつたってベッドシーツに、一つ、二つとシミを作っていく。
「俺は一体、どんだけ仲間に迷惑かけたら気が済むんだ...ウッ...ウウ...」
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作者名：ブラぺ | 作成日時：2019年6月23日 0時
