女優の彼女 2 (ページ29)

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一縷の希望ページ29

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退院から約1ヶ月、今日は病院の通院日。

家を出てから、1時間と30分。もう少しで帰って来るとは思うんだけど、彼の帰宅が遅くて、何かあったのかなと心配しながら、掃除をして10分が経ったくらい

ガチャと扉が開く音がして、滉くんのただいまという元気な声が聞こえて

パタパタとスリッパを鳴らしながら急いで玄関に向かった。

「おかえりなさい。滉くん。なんかいい事でもあった？すごく顔色良いけど」

『伝えなきゃいけないことがあってさ、』

「座って話そうか、、」

なんだろう、悪い話じゃなくて、きっといい話とドキドキ鼓動がうるさい心臓を落ち着かせながら彼の言葉を待った。

『怪我で、W杯無理かもって言ってたじゃん？』

「うん、それがどうしたの？」

『今日、先生からもしかしたら間に合うかもって、W杯出れる可能性があるって言われた』

W杯出れる可能性、、、わーるどかっぷでれるかのうせい、、。

頭が真っ白になって5秒くらい思考停止した。

一時はW杯出場は厳しいと言われて、どん底に落とされたような雰囲気を纏っていた滉くんがこんなにも生き生きとした表情を見れてすごく嬉しくて、

私は感極まりすぎて、まだピッチに立ってすらいないのに、W杯に出れる可能性があるってだけなのに泣いてしまった。

そんな姿を見た滉くんは泣くの早いから、俺がピッチに立って活躍してから泣いてよって笑いながら私を抱きしめてくれた。

「良かった。ほんとに良かった。絶対見に行く、現地で生で滉くんがW杯に出場してる姿焼き付ける」

『カタールまで？仕事は？』

「Abemaの仕事で現地取材の話があるんだよね、笑だからもしかしたら生で見れるかも!!」

『うわぁ、A見るならスタメンで出たいな〜』

「滉くんならいける、もうね、見えるもん目閉じたら滉くんがW杯にスタメンで出てるの笑、、、あっ」

『急にどうした？』

「嬉しくて浮かれてたけど、、まだ無理はダメだからね!!悪化したとか嫌だからね」

『はい、姫の言うことは守りますよ笑』

「んっもう!!またバカにした」

1人でぷりぷり怒ってると、機嫌直して？ってご機嫌取りで私の大好きなアイスを持ってきて腕を広げて待ってるところ、ずるいなと思いながらその罠に引っかかる私もバカだけど、

私は彼の腕の中に再び入りアイスを頬張った。

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迷走再び。

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