緊張 ページ26
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池田さんに滉くんの家まで送ってもらって、2人の時間をってことで池田さんと一旦解散。
私の部屋で2人きりは何度もあったけど、滉くんの家に2人きりは初めてで、私はすごく緊張して無言。
チラッと滉くんを見ると彼も表情が固くて緊張してる？のかな、、。
お互いが緊張しすぎて無言の空間。私はムズムズして、いてもたってもいられなく座ったり立ち上がったり、、。
終いには部屋中を歩き回って窓の近くに行きこの空気感をどうにかしようと口を開いた。
「けっ、景色綺麗だね。そっ、、それに、部屋も綺麗でオシャレ。さすがヨーロッパって感じ、、？」
挙動不審な私を不思議そうな目で見つめる滉くん。
立ち上がって歩き辛そうにてとてと可愛く歩きながら私に近づいて来たかと思えば後ろから大きな体で私を包みこんだ。
緊張してんの？って顔を覗き込みながら頬を摘まれた。
痛い、離せ、滉。って心の中で悪態をつく。
悪態をつきながら滉くんの方に体を向けるとより力を込めて抱きしめられて
「き、緊張なんてしてないよ、、どう見れば緊張してるように見えるの？、、そっ、それより滉くん、足大丈夫なの？」
『まぁまぁかな、リハビリって大変だな、つまんないし』
「私に出来ることがあればなんでも言ってね？」
滉くんは早速考えて、何にしようかなって悩みながら出した要求は一緒に毎朝ウォーキングに付き合って欲しいで、
「そんなことでいいの？遠慮しなくても良いのに、、」
『遠慮なんかしてないって笑』
「まぁいいや、またして欲しいことがあれば何時でも言ってね？完治するまで無理は禁止、わかった？」
『はい。ﾌﾌｯAお母さんみたいだな笑』
「滉くんのお母さんは嫌だ、、」
『嫌なのかい笑』
「だって、、滉くんのお母さんだったら、、恋人になれないじゃん、、。その、、次のこととかも、、？」
『次、、？』
「だっ、だから、、けっ、、けっこんとか、、？」
滉くんは目を丸くして、固まった。
あぁ何言ってんだよ、音華A、、。結婚をせがんでる重たい彼女みたいじゃん。ほんとにやらかした。最悪。消えたい。
頭でぐるぐる考えすぎて滉くんの胸を押して私はごめん、忘れてと彼から離れようとした。
けど、私は彼から離れられなかった。
離れようとしたら滉くんが私の手首を掴んで、気づけば私は彼の胸の中に閉じ込められていた。
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作者名：結衣 | 作成日時：2023年1月16日 16時
