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谷口さんにお姫様抱っこされてるからか、一般の方にもジロジロ見られるし、関係者の人達には冷やかされるしで、恥ずかしすぎて抵抗する気力がなくなってしまい
滉くんの目の前で降ろされると、A、ちゃんと話なね?とポンと頭に手を置かれた。
滉くんには何回かされてたけど、他の人には初めてで、いつもの手の感覚とは違って、なんかキュンとして顔を赤らめれば、皆口々に谷口さんを揶揄う声が飛び交っていて、
「うぉっ、、」
急に手を引っ張られたと思えばその人の胸の中に収まるよう抱きしめられていて、
その人なんて1人しかいなくて
「滉くん痛くなかった、?大丈夫?ごめんね、」
『Aの顔見ないで日本離れるかと思って心配した。』
「私が来ていいのか分からなくて、、憲剛さんに連れて来られた」
『なんでそんなこと考えるの笑、来て良いのに、てか俺、A来なかったら日本離れるの辞めようか考えたよ』
「それはダメだよ笑」
『今来たわけでは無いよね?』
「えっ、まぁ10分前くらい?」
『来てくれたならすぐ顔見せてよ、探したけど全然見つからなくて、ガチ顔見れないかもって焦ったんだから、、』
「それはごめんなさいだけど、チームメイトの人と話してたし、邪魔しちゃ悪いかなって」
『それに、彰悟くんにお姫様抱っこされて、頭ポンってされたら顔赤らめちゃってさ、照れるの俺だけかと思ったのに』
「いや、だってそれは、谷口さんが勝手に、、」
弁明しようとしたら、滉くんの乗る飛行機の搭乗手続きのアナウンスが響く。
「あっ、これでしょ、ほら搭乗手続きしなきゃ」
『あっ、、そうだね、A来てくれてありがとな』
「滉くん、日本から応援してるから、どうしても我慢出来なくなって寂しくなったら連絡してもいい?」
『Aにカッコイイ姿見せれるように頑張るから、我慢しなくても時差なんか気にしないで良いから送ってこい、必ず返信するから、』
「時差は少し気にする笑けど、うん、ありがとう。いってらっしゃい」
『いってきます』
滉くんに5秒間くらい強く抱きしめられて、身体が離れた時少し寂しかったのは本人には秘密。
滉くんの姿が見えなくなるまで我慢したけど、見えなくなった瞬間数滴の涙が頬を伝った。
この時から確実に滉くんは私の特別な人になっていたけど、それが恋と気づくのはもう少し後のこと。
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作者名:結衣 | 作成日時:2023年1月16日 16時