女優の彼女 2 (ページ13)

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そばにいたい(修正) ページ13

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2023年1月。

ココ最近、稽古場で思うような演技ができず、好きだと思っていた女優の仕事も楽しく思えなくて、落ち込んでいたある日。

マンションまでマネに送ってもらい、滉くんが待っている私の部屋に行くまでの間、必死に気持ちを切り替えて扉を開ける前に一呼吸おいてから、ただいまと扉を開けると、滉くんがリビングから出てきて、おかえりと私を抱きしめる。

滉くんは、私が隠していた違和感を咄嗟に感じ取り、何も言わずに私の靴を脱がせ、抱き上げてリビングへ行きラグの上に、滉くんと向かい合わせるように私を膝に跨らせた。

特に何を言うわけでもなく、ただ抱きしめて背中を優しく叩いて落ち着かせてくれた。

この瞬間がもの凄く心地が良くて、2人で過ごす時間が積み重なれば積み重ねるほど、この時間が終わって欲しくないと、滉くんとまた遠距離になりたくないと思ってしまう。

それは叶わぬ願いなんだけど。

だからこのまま2人の時間がゆっくり過ぎて欲しいと、時の流れは早くも遅くもならず一定なのにそれに抗ってしまう。

私は徐に口を開いた。

「ねぇ、、こぉくんっ、、、」

『なにかあった？』

私の顔を見ようと、離れようとするから、私は滉くんに抱きついた。1ミリたりとも滉くんから離れたくなくて、きつく抱きしめた。

「....くない、離れたくないよ、寂しいよ滉くん、」

『そうだね、寂しいね』

滉くんの手の感触が背中から消えたかと思えば私の肩を掴み

『A、今の仕事落ち着いたらドイツ来る？』

まさかの言葉だった。

滉くんは、いつも私のことを海を超えた国から応援してくれていた。そんな滉くんに恥じないようにこの仕事を続けていたけど、正直私はもう限界で

幼少期からいたこの世界。年々重ねていく芸歴。

それ故に期待されるレベルは同世代より高くてそれは当たり前の事だと思うし、ありがたかった、

だけど、私はまだ21歳。このプレッシャーを跳ね返す程の術は持ち合わせていなく

『どう、、かな、？、、俺とドイツで暮らさない？今すぐ、無理にとは言わないけどさ、』

「、、ドイツ、、行く、少し休みたい。」

『あと少し頑張れる？』

「滉くん、応援してくれる？」

『勿論』

次の日、私は少しの間活動を休止したいとマネに伝えた。
社長とマネは心配してくれたけど、板倉くんと一緒なら安心と受け入れてくれた。

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