story7 最大の弱点 ページ9
棗side
見知らぬ女を泣かすにも、何故かアリスが出ないからギャーギャー言ってるソイツが穿いてるものを脱がせることにした。
ソイツが必死に抵抗しようとするもんだから、手間取っていると、ドタドタと足音がこの部屋に近づいて来ているのが分かった。
どうやら大人が来たみたいだな。
「……逃げるか」
「そうだね。
あ、陽毬どうしよう……」
「俺が担いで連れてく」
捕まると後々面倒なことになるから、流架に言って、陽毬を連れて逃げることにする。
俺がソファーに寝転がっている陽毬を背中に担ぎ上げ、窓から飛び降りようとしたその瞬間。
「大丈夫、蜜柑ちゃん!?」
バンッと音をたてて行きを切らした鳴海と岬が部屋に駆け込んできた。
わざわざご苦労なこったな。
そんな二人の様子を横目で見た後、目に涙を溜めた女に、さっき脱がせたソレを見せつけて。
「じゃーな、『水玉パンツ』」
捨て台詞を吐いて、その部屋から脱出した。
このあと特にすることもないから、初等部に戻るっていう流架の案に賛成して、俺たちの教室がある方へ歩を運んだ。
背中にはまだ苦しそうな呻き声をあげる陽毬が乗っている。
陽毬のフェロモンに対する免疫が無さすぎるのも困ったものだ。
ただでさえコイツは鳴海には弱いのに、その鳴海がコイツの最大の弱点であるアリスを持ってるなんて、運が悪すぎる。
これから先、俺と一緒にいて、何度鳴海のアリスを受けることになるかなんて想像もつかないが、陽毬にとってそれは相当な苦しみだと思う。
本当にこのままでいいのか?
そう思ったことが、陽毬と出会ってから何度もあったが、コイツを巻き込まないために一人にするって選択肢はなかったし、一番にコイツが望まないから、ずっとこんなことを繰り返しながら今までやってきた。
これからもそれは俺たちがこの学園に囚われている限り変わらないと思う。
だけど、これで陽毬が少しでも救われるなら俺は……俺たちはずっとコイツの側にいてやるんだ。
しばらく歩くと俺たちの教室、B組が見えた。
流架にドアを開けてもらって、騒ぎ声で煩い室内に入った。
俺たち三人の席は後ろの方だから、いつもその席に座るまでに、周りのやつらから声をかけられるが、答えるのが怠いから無視する時の方が多い。
未だに目を覚まさない陽毬をそっと降ろして、席につく。
今日もいつものようにつまらない日々を過ごしていくんだろうな。
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えるふぃ(プロフ) - やしろさん» へぇー、結構占ツク徘徊してたんだ!笑 あー、夢小説漁っちゃうのわかる!私の場合、漁ってる途中にむずむずしてなんか話書きたくなるんだけど…笑笑 やしろの期待に添えるような話が書けてるといいなぁ(*´ω`*) (2018年9月14日 0時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
やしろ(プロフ) - えるふぃさん» お久しぶり…!と言っても実は結構な頻度で占ツクにはいるんだ〜!読み専と化してる(笑) けど根っからの夢女子だから新ジャンル行っても必ず夢小説漁ってるからホントここにはお世話になりっぱなしです!学アリ熱は周期的にくるから、よく読んでるよ!! (2018年9月13日 18時) (レス) id: ec62b59ee0 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - やしろさん» わぁ、やしろお久しぶりね!修正版の方読んでくれてて嬉しい!しばらく連絡取れなかったから、もう読んでくれてないと思ってた…笑 自分で書きながら棗や夢主みて悲しくなったりしてるから重症だよね(*´ω`*) また更新するね!見てくれてありがとう(*´ω`*) (2018年9月12日 15時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
やしろ(プロフ) - えるふぃ、お久しぶりです!修正版「君と一緒に」もちょこちょこ読ませて頂いてました!夢主ちゃんや棗の優しさが格段に分かりやすく伝わってきて、もうホント好き!って感じ……!これからどんどん修正版の更新がされてくのを待ってます! (2018年9月11日 20時) (レス) id: ec62b59ee0 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - 波音さん» そう言っていただけると頑張って修正したかいがあります!褒めていただけると一気に疲れが吹き飛びますね笑 最近更新できていなかったのですがまた近々更新してみようと思います!ありがとうございます(*´ω`*) (2018年8月3日 3時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えるふぃ | 作成日時:2013年11月22日 7時