story3 脱走 ページ5
陽毬side
罰則面を片手に、高揚とした表情で自身の下の方に視線を向けるナル。その足元では傷を負った棗が、彼をキッという効果音でも付きそうなほど睨みつけていた。
脱走計画の最中、棗の思慮不足が招いた結果だ。
僕も彼の立場なら、似たような行動をとっていただろうからあまり人のことを言えないが。
まぁ僕の場合あれほど迂闊ではないだろうけども。
そんなことを胸中で呟きながら、ナルの死角――彼の十メートル後方に飛び降りた。
そして彼に気づかれないよう、そっとアリスを使った。
相手の動きを封じるために。
「ナル、ちょっとおとなしくしてて」
この言葉を聞いて、ナルが僕の存在に気づいた時にはもう手遅れ。
「なっ、陽毬ちゃん！？ まさか君も脱走を……？｣
「まぁ、そんなとこかな。」
僕の声に反応しても、彼の体はもう、一ミリたりとも動かないのだから。
今のこの状況から、しばらく邪魔者はこないだろうと安心し、倒れている棗に手を差し伸べようとした瞬間――。
「今脱走したら、陽毬ちゃんの立場が更に悪くなるよ。
『君のことがお気に入りのあの人』に知れたら――……うっ！」
話し出したナルの口から出た、思い出すだけで嫌気が差す人物を臭わせる言葉。
それを聞いたら無性にイライラしてしまい、つい雷のアリスを彼に使ってしまった。
バチッと稲妻がはじける音と共に、ナルは膝から崩れ落ちる。
……やってしまった。
倒れたナルを見て心底後悔した。
感情に任せてアリスを使ってしまったこと。そして……アリスで身近な人を傷つけてしまったことを。
いつかまた、あの時と同じことをしてしまうんじゃないか。
そんな不安から逃れるように、僕は棗の手を握り、立ち上がらせた。
「ほら棗、立って。 逃げよ。」
「……あぁ、ありがとな、陽毬。」
このまま瞬間移動のアリスを使って、この場所から離れよう。そう思った。
だけど、そうもいかないらしい。
「ちょっと、あんた、この先生に何したん！？ 倒れているやんけっ！」
そんな言葉と共に、見慣れない少女が視界に入ってきたかと思えば、急にアリスが使えなくなったのだ。
変わったことといえば、目の前に少女が立ちはだかっただけ。もしかしたら、彼女に何か秘密があるのかもしれない。
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えるふぃ(プロフ) - やしろさん» へぇー、結構占ツク徘徊してたんだ！笑 あー、夢小説漁っちゃうのわかる！私の場合、漁ってる途中にむずむずしてなんか話書きたくなるんだけど…笑笑 やしろの期待に添えるような話が書けてるといいなぁ(*´ω｀*) (2018年9月14日 0時) (
レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
やしろ(プロフ) - えるふぃさん» お久しぶり…！と言っても実は結構な頻度で占ツクにはいるんだ〜！読み専と化してる(笑) けど根っからの夢女子だから新ジャンル行っても必ず夢小説漁ってるからホントここにはお世話になりっぱなしです！学アリ熱は周期的にくるから、よく読んでるよ！！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: ec62b59ee0 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - やしろさん» わぁ、やしろお久しぶりね！修正版の方読んでくれてて嬉しい！しばらく連絡取れなかったから、もう読んでくれてないと思ってた…笑 自分で書きながら棗や夢主みて悲しくなったりしてるから重症だよね(*´ω｀*) また更新するね！見てくれてありがとう(*´ω｀*) (2018年9月12日 15時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
やしろ(プロフ) - えるふぃ、お久しぶりです！修正版「君と一緒に」もちょこちょこ読ませて頂いてました！夢主ちゃんや棗の優しさが格段に分かりやすく伝わってきて、もうホント好き！って感じ……！これからどんどん修正版の更新がされてくのを待ってます！ (2018年9月11日 20時) (レス) id: ec62b59ee0 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - 波音さん» そう言っていただけると頑張って修正したかいがあります！褒めていただけると一気に疲れが吹き飛びますね笑 最近更新できていなかったのですがまた近々更新してみようと思います！ありがとうございます(*´ω｀*) (2018年8月3日 3時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2013年11月22日 7時
