story37 夕食 ページ39
陽毬side
少し急ぎ足で食堂に向かうと、先に席を取ってくれていた流架が、僕を見つけて手を振る。
「あっ、陽毬! こっちこっち!」
食堂の中を食事の乗ったカートを押しながら歩く、ペンギンのようにも見える初等部の寮母ロボットから、自分の分の夕食を受け取って、待ってくれていた流架の隣に座った。
まだ棗が来ていないようなので、流架と話しながら少し待っていると、棗も食堂にやって来て、寮母ロボから夕食を受け取っている。
「あっ、棗! ねっ、早く食べよう、お腹すいた!」
「分かった分かった。そんな急かすな。」
こちらに気づいた棗を急かし気味に椅子に座らせて、3人で両手を合わせてから夕食に手をつける。
ここでの生活はすべてが星階級に左右される。この夕食でもそうだ。
そして
僕はふと、星なしの食事がどんなものか気になって、食堂中を見渡した。
「なんでーっ!?」
タイミングのいいことに、星なしが他の食事と自分の食事を見比べて大声で騒ぎ立てていたので、すぐに発見することができた。運がいいのか悪いのか彼女は僕らの対面側に座っており、簡単にお盆の中を覗くことができた。
「わーお、想像していたよりだいぶ質素。あんなんじゃ足らないでしょ。」
彼女のお盆に乗っていたのはご飯に海苔、味噌汁、そしてつけもの。あまりの質素さに思わず声を漏らしてしまう。
「陽毬だったら、あんな食事でたら絶対暴れるでしょ?」
「それは違いないな。」
僕の視線につられて星なしのお盆の上を見た流架が、僕の食事と彼女の食事を見比べてくすりと笑う。棗も流架の言葉に笑いながら頷いた。
「……2人とも僕を食いしん坊扱いしてない?まぁ、実際に出たら学園のお偉いさんのとこに乗り込むんだけどね。」
「やっぱり陽毬、食いしん坊じゃん。」
夕食を食べながらの楽しい会話は先程まで荒みに荒んでいた僕の心を癒してくれる。改めて流架と棗の存在に感謝した。
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えるふぃ(プロフ) - やしろさん» へぇー、結構占ツク徘徊してたんだ!笑 あー、夢小説漁っちゃうのわかる!私の場合、漁ってる途中にむずむずしてなんか話書きたくなるんだけど…笑笑 やしろの期待に添えるような話が書けてるといいなぁ(*´ω`*) (2018年9月14日 0時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
やしろ(プロフ) - えるふぃさん» お久しぶり…!と言っても実は結構な頻度で占ツクにはいるんだ〜!読み専と化してる(笑) けど根っからの夢女子だから新ジャンル行っても必ず夢小説漁ってるからホントここにはお世話になりっぱなしです!学アリ熱は周期的にくるから、よく読んでるよ!! (2018年9月13日 18時) (レス) id: ec62b59ee0 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - やしろさん» わぁ、やしろお久しぶりね!修正版の方読んでくれてて嬉しい!しばらく連絡取れなかったから、もう読んでくれてないと思ってた…笑 自分で書きながら棗や夢主みて悲しくなったりしてるから重症だよね(*´ω`*) また更新するね!見てくれてありがとう(*´ω`*) (2018年9月12日 15時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
やしろ(プロフ) - えるふぃ、お久しぶりです!修正版「君と一緒に」もちょこちょこ読ませて頂いてました!夢主ちゃんや棗の優しさが格段に分かりやすく伝わってきて、もうホント好き!って感じ……!これからどんどん修正版の更新がされてくのを待ってます! (2018年9月11日 20時) (レス) id: ec62b59ee0 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - 波音さん» そう言っていただけると頑張って修正したかいがあります!褒めていただけると一気に疲れが吹き飛びますね笑 最近更新できていなかったのですがまた近々更新してみようと思います!ありがとうございます(*´ω`*) (2018年8月3日 3時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えるふぃ | 作成日時:2013年11月22日 7時