story32 星階級 ページ34
陽毬side
教室の後ろの扉から入ると、教室はまだまだツインテールのことが話題になっており、ちょうど委員長やパーマが『星階級』について話している最中だ。
「あっ、陽毬! 急に棗とどっか行っちゃうから心配だった……大丈夫か?」
その様子を眺めながら席に着くと、ぱっと流架が僕の顔を見て、不安そうな顔を一変させた。
「心配かけてごめん。流架……いつも僕と一緒にいてくれてありがとね。」
さっき、棗の想いを聞いたばかりで、流架にも同じような気持ちをさせていたはずだから、安心させるような声色でいう。罰則面のせいで顔を見せられないのがもどかしい。
「きゅ、急にどうした? ……俺は陽毬といて楽しいからいるんだ。何も気に病まなくていいから!」
「えへへ、やっぱ流架はやさしーね。ありがと。」
感謝を述べると流架は顔を真っ赤にして視線をそらす。彼は照れ屋さんだから面と向かって感謝を言われるのが恥ずかしいのだろう。
りんごみたいな流架をからかって笑っていると、ツインテールが僕と棗の名前を出したのが聞こえた。
なんだろうと耳を傾けると、話している内容は星階級の話。取り巻きの一人、パーマが声高々に僕らの星階級について自慢するのが聞こえる。
星階級……それは、学園での待遇を決めるもの。能力レベルや生活態度なんかで評価されるらしいが、基準が明確でない。
僕の場合は、授業をサボるわ先生に楯突くわで、生活態度は最悪なので、星階級の評価の中に入っていないと思う。
「言ったでしょう?彼も彼女も天才アリス。あんたなんかと格が違うのよ!」
「あの2人、むっちゃ悪いやつやん! そんなのが幹部生!?」
なぜ、彼女たちがこんなに騒いでいるか。それは僕らの星階級が『
幹部生とは努力だけじゃどうにもならない天才的なアリスの才能を持った者だとか言われており、初等部では僕と棗の2人だけしかいない。
クラスのみんなは凄いと僕らをもてはやすけれど、こんな星階級をもらっても嬉しいと思えなかった。階級をつけて、生徒を品定めしているようで、学園側が生徒を道具としか見ていないのが分かるようで気にくわない。
「でも、まっせいぜい楽しみにしてるわ。」
考え事をしている間に、話は終わったみたいで取り巻き達はツインテールから離れていく。
僕が思うに彼女のアリスは不安定とはいえ、僕や棗のアリスを防ぐほど。結構いい評価が下るのではないだろうか。
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えるふぃ(プロフ) - やしろさん» へぇー、結構占ツク徘徊してたんだ!笑 あー、夢小説漁っちゃうのわかる!私の場合、漁ってる途中にむずむずしてなんか話書きたくなるんだけど…笑笑 やしろの期待に添えるような話が書けてるといいなぁ(*´ω`*) (2018年9月14日 0時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
やしろ(プロフ) - えるふぃさん» お久しぶり…!と言っても実は結構な頻度で占ツクにはいるんだ〜!読み専と化してる(笑) けど根っからの夢女子だから新ジャンル行っても必ず夢小説漁ってるからホントここにはお世話になりっぱなしです!学アリ熱は周期的にくるから、よく読んでるよ!! (2018年9月13日 18時) (レス) id: ec62b59ee0 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - やしろさん» わぁ、やしろお久しぶりね!修正版の方読んでくれてて嬉しい!しばらく連絡取れなかったから、もう読んでくれてないと思ってた…笑 自分で書きながら棗や夢主みて悲しくなったりしてるから重症だよね(*´ω`*) また更新するね!見てくれてありがとう(*´ω`*) (2018年9月12日 15時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
やしろ(プロフ) - えるふぃ、お久しぶりです!修正版「君と一緒に」もちょこちょこ読ませて頂いてました!夢主ちゃんや棗の優しさが格段に分かりやすく伝わってきて、もうホント好き!って感じ……!これからどんどん修正版の更新がされてくのを待ってます! (2018年9月11日 20時) (レス) id: ec62b59ee0 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - 波音さん» そう言っていただけると頑張って修正したかいがあります!褒めていただけると一気に疲れが吹き飛びますね笑 最近更新できていなかったのですがまた近々更新してみようと思います!ありがとうございます(*´ω`*) (2018年8月3日 3時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えるふぃ | 作成日時:2013年11月22日 7時