学園アリス 〜君と一緒に〜

story25 正式入学 ページ27

蜜柑side


怖いくらい怒って委員長や蛍をアリスで苦しめた棗と陽毬。そんな２人も駆けつけてくれた鳴海先生のおかげで眠ってしまった。


「ふー 大丈夫だった？蜜柑ちゃん。大変だったね」


棗が眠り、委員長を囲んでいた炎も消え、陽毬のアリスで水の中で気を失っていた蛍も目を覚ました。

ウチは入学条件がクラスのみんなと仲良くすることやったということを思い出して、やってしまったと思った。

だって、仲良くどころか自分のアリスすら見つけれんかったんやから。


「仮入学試験合格、おめでとう！素敵なアリスを持ってるね！」


この学園におれんくなってしまうと思ってめっちゃ落ち込んどったら、鳴海先生がそんなことを言うてくれる。

先生が言うにはウチのアリスは、攻撃してくるアリスを打ち消す力らしい。棗のアリスが効かんかったのもそのおかげやって。

アリスがあるってことはウチはこの学園にまだおれるってことで、蛍ともずっと一緒に入れるってことで、めちゃくちゃ嬉しかった。


「聞いてる限りだと自分を守るだけなのね。」


そばで聞いとった蛍がそんなきついことを言うたけど、先生はウチの心次第で誰かに必要とされる力になるって言うてくれた。

その言葉が本当に嬉しくて、心の奥の方があったかくなった感じがする。


そのまま先生と入学手続きを済ませるために森の外へ向かおうとする。


「アリス学園へようこそ。新入生佐倉蜜柑さん。」


途中でくるりと振り返って、先生がかけてくれた言葉で改めてこの学園に入学できる喜びが湧き上がってきた。

ただ学園長は忙しいみたいで会えんみたいやけど、学校には明日から通わせてもらえるらしい。

寮も決まるまでは蛍と一緒やし嬉しいことばかりや、と思ってたのに。


「そうそう。今から一切外部との接触は禁止されてるから。」


家族とでさえも会えず、電話もできないという事実を先生から伝えられた。ウチはじーちゃんに何も言ってなかったから直接会って話したかったんやけど、みんな我慢してることやからって我慢することになった。

委員長が言うには手紙は出せるらしいから、それでじーちゃんに気持ちを伝えよう、じーちゃんに褒められる自分になろうと決心したその時。


「棗っ、大丈夫？」


ルカぴょんの心配そうな声で、棗が起きたのに気づき、ウチも声かけとこうと思って、近づこうとしたら蛍に思いっきり後ろに押された。

びっくりするウチの前でドンと大きな爆発が怒って、木が粉々になった。

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