学園アリス 〜君と一緒に〜

story16 ヤバイ奴 ページ18

蜜柑side


ウチが次に目を覚ましたのはキリンの姿をした車やった。

ウチは蛍になんですぐ助けてくれんかったのかと怒ったんやけど、蛍はウチを囮にしたんやと言った。その言葉にまたムカーッて来たけど蛍が車から降ろすとか言うから黙ることにした。

車の上で委員長が蛍のアリスのことを教えてくれた。何やら蛍は『発明のアリス』を持ってるらしい。そしてウチらが乗っとるこの車も蛍の発明品なんやと。


こんなの作れるなんてやっぱり蛍はすごい人やったんやなぁ、なんて惚れ直していると、蛍がウチのことをじっと見てきた。


「蜜柑は委員長のアリスについては知ってるの？」

「え？」


ウチが委員長のアリスのこと知らんって分かった蛍は、アリスのことを教えてくれた。

委員長は『幻覚のアリス』っていうのを持っとって、人に幻覚を見せることができるらしい。


それを知ったウチがアリスを見せてくれるよう委員長にせがんどると、蛍にきっついこと言われた。

言われた事はすごく傷ついたんやけど、実際ウチは蛍はと委員長に迷惑掛けてばっかりやったってのに気づいた。


「お詫びに食料調達いってきますっ。」


だから償いのつもりで何か食べれるもんを探してくることにした。


「もういいわよ。」


戻って取ってきたものを食べとるとき、蛍がウチのこと許してくれた。そんでウチにゲームに勝ってほしいって言ってくれる。


そこでふと教室でのことを思い出した。

ウチにゲームなんかしないで家に帰れとか言ってきた女の子がおったって。そういやあの棗とかいう奴も謎や。

どうしても気になるからウチは２人に聞いてみることにする。


「なぁなぁ、クラスにおった棗と陽毬とかいう嫌な感じの奴おったやんかー。あいつらって何なん？」

「学園にずっといたいんだったらあの２人には関わらない方が得策よ。」



蛍が言うには棗と陽毬は物凄いパワーを持っとって、２人を尊敬して付き従う取り巻きが沢山おるらしい。しかも学園を恨んでいるとのこと。それに一時期人殺しだっていう噂も流れ取ったとか。


「陽毬が自分から誰かに関わろうとすることなんて滅多にないのよ。それなのにあんなに絡まれて……蜜柑、あの子に何かしたの？」

「えぇ！？ウチ何も……あっ、もしかしてアレか！？」


蛍に言われて記憶を辿ってみると確かにウチは門の前でAと棗の脱走を邪魔してしまった。それで目をつけられてしまったんか？

ウチ、ヤバイ奴を敵に回したんかもしれん……。

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