story14 得体のしれない相手 ページ16
陽毬side
3人が教室を出ていってからどれくらいの時間がたったのだろうか。
いつもは授業時間なんてぼーっとしてるか、教室を抜け出して昼寝するかで過ぎてしまうから、こうして何かを待ってる時間は退屈だ。
流架はさっき一人で何処かに行ってしまったし、棗は漫画を読んでる。
じゃあ僕は何をしようかと考えたら、何も思い付かなくて、とりあえず目の前のお菓子を食べて時間を潰している。
「なぁなぁあの転校生、北の森攻略できると思うか?」
「あー無理無理!
ベアの時点でリタイアに500円。」
皆も僕と同じようにすることが無くて暇なのか、あのツインテールがどうなるかで盛り上がっていた。
確かにベアが敵だと考えると、ちょっとあの森は厳しいかもしれないなぁ。
でも蛍も委員長も着いていったんだし、きっと大事にはなってないと思う。
「そっかなー、意外とすっげーアリス隠し持ってたりするのかも。」
「ケガとかしてなきゃいいけど……。」
なんて考えているうちに教室も話はどんどん膨らんで、皆その話で持ちきりになった。
よく考えたらさっきみたいに教室が騒がしくなるのも、皆がこうして盛り上がってるのも、先生が来ないからなんだよね。
まぁ、ナルが来ても皆は静まらないんだろうけど。
「あれ?難しい顔してるけど……棗、どうかしたの?」
ふと自分の隣に座る棗に目をやると、彼の顔がいつもより幾分か不機嫌に見えた。
大抵いつもそんな顔だけど今は特にそうだったから、気になって声をかけた。
「……陽毬はアイツのこと、どう思う?」
すると返ってきたのは答えじゃなくて問い。
質問したのは僕の方なのに、なんて不満は飲み込んで、考えをまとめた。
多分棗が言う『アイツ』とはあの、ツインテールの少女のことだろう。
「んー……僕さ、ナルから逃げるとき確かにアリスを使ったハズなんだ。けど、何もおこんなかったんだよね。だから少し、変な感じはする」
「やっぱ陽毬もか。
俺にも同じことが起こった」
そう勝手に解釈して答えたら、棗の顔が一層険しくなった。
なるほど、彼はあの子に何か感じてたから、すでに何か策を考えてたんだ。
「……あの子のこと気になる?」
ずっと険しい顔をしてる棗に僕も少し不安になって、そう聞いたら彼は無言で頷いた。
もし、あの子の力が危険なもので、僕らを脅かすのなら。警戒するに越したことはない。
この学園で生きていくためには、僕は誰よりも強くないといけないんだから。
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えるふぃ(プロフ) - やしろさん» へぇー、結構占ツク徘徊してたんだ!笑 あー、夢小説漁っちゃうのわかる!私の場合、漁ってる途中にむずむずしてなんか話書きたくなるんだけど…笑笑 やしろの期待に添えるような話が書けてるといいなぁ(*´ω`*) (2018年9月14日 0時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
やしろ(プロフ) - えるふぃさん» お久しぶり…!と言っても実は結構な頻度で占ツクにはいるんだ〜!読み専と化してる(笑) けど根っからの夢女子だから新ジャンル行っても必ず夢小説漁ってるからホントここにはお世話になりっぱなしです!学アリ熱は周期的にくるから、よく読んでるよ!! (2018年9月13日 18時) (レス) id: ec62b59ee0 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - やしろさん» わぁ、やしろお久しぶりね!修正版の方読んでくれてて嬉しい!しばらく連絡取れなかったから、もう読んでくれてないと思ってた…笑 自分で書きながら棗や夢主みて悲しくなったりしてるから重症だよね(*´ω`*) また更新するね!見てくれてありがとう(*´ω`*) (2018年9月12日 15時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
やしろ(プロフ) - えるふぃ、お久しぶりです!修正版「君と一緒に」もちょこちょこ読ませて頂いてました!夢主ちゃんや棗の優しさが格段に分かりやすく伝わってきて、もうホント好き!って感じ……!これからどんどん修正版の更新がされてくのを待ってます! (2018年9月11日 20時) (レス) id: ec62b59ee0 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - 波音さん» そう言っていただけると頑張って修正したかいがあります!褒めていただけると一気に疲れが吹き飛びますね笑 最近更新できていなかったのですがまた近々更新してみようと思います!ありがとうございます(*´ω`*) (2018年8月3日 3時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えるふぃ | 作成日時:2013年11月22日 7時