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154.※交錯する心 ページ4

※大人の話です。
 苦手な人はとばしてください。




 何度も、何度も、快楽の海に彼女を誘う。


 いよいよ声を漏らし始めたAに

「…これを…噛んでいて。」

 と、手ぬぐいを渡して噛ませた。


「…んん〜」


 眉を下げ、身を捩らせながらも、

 蕩けた瞳で見つめる彼女に波はとどまることを知らない。

 Aは身を震わせながら身体を起こそうとしたので、

 それを阻止しようと抱き止めて耳元で囁いた。


「…まだ終わりじゃない。

 むこうを向いて…手と膝をついて。」


 首から背中、しなる腰、身体の曲線が美しい…


 Aは堪えきれず口から手ぬぐいを落とした。


「んっ…い…や」


 彼女が逃げようと前へ進もうとしたので、

 腰を掴む手に力を入れた。


「んんっ…はぁ…本当に…嫌なのか?」
 

 Aは首をゆっくり横に振る。


「…あっ…おかしく…なりそうで…」


「ははっ…また嘘をついた…な?やめてはやるまい…」


「んんっ…でも…お…かしく」


 俺は彼女の後ろから手で口を押さえて告げた。


「んっ…俺のもとで…おかしくなればいい…」

 
 君だけに捧ぐ。愛を紡ぐ。


「A…忘れないで…くれ…

 んっ…覚えて…おいて…」


 俺もいつかAの目の前から消えてしまうかもしれない。

 その時君はどう思うのだろうか。

 時が経てば忘れて幸せになってくれるだろうか。

 本当は忘れて欲しくなんてないくせして…

 身勝手な自分の心が嫌になる。

 ちぐはぐな想いが交錯していく。


「んんっ!…」


 Aはいよいよ力が入らなくなり、褥に倒れ込んだ。
 

「A…?」


 声をかけても返答がなく、

 どうやら気をやってしまったようだ。


 
 しばらくして、眠ってしまった彼女に浴衣を着せると、

 彼女の隣に横たわって頭を撫でていた。


 すると、ゆっくりとAの瞼が開いた。


「…気がついたか?」

「…は…い。すみません…浴衣着せてくれたのですね。」


 胸元に覗く赤い薔薇に胸がぎゅっと苦しくなった。


「謝るのはこちらの方だ。…無理をさせすぎてしまった。

 やめてあげられなかったんだ…許して欲しい。」

 
 その時が来たら…俺のことを忘れて…

 いや、やはり忘れないで…

 瞳にAを映して、彼女の頬に触れた。


「…杏寿郎さん?」


 名前を呼ばれ、彼女に微笑むと優しく囁いた。


「…とても良かった。疲れたろう?

 ゆっくりおやすみ。」

155.心のまま→←153.※ほどかれた帯



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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます♡ いつもコメントくださり、本当励みになります!これからの煉獄さんサイドの展開もお楽しみくださいね! (2023年2月3日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - こんばんは。お疲れ様です☺︎すみません。私が早とちりしてしまいました。続きドキドキしますが楽しみにしてます。完結まで見守っていきますね!新作もその時はぜひ拝読させて頂きますね♪ (2023年1月25日 22時) (レス) @page50 id: 4bde5e03bb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん、ありがとうございます♡ 私の書き方が悪くてすみませんが、続編はなく完結いたします!次に移行するという意味でした…!ただ、まだ確定ではありませんが、新作を少しずつ考えていますので…いつかお知らせできるといいです💭 (2023年1月24日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 更新お疲れ様です!いよいよ完結ですね。最後まで2人の物語を見守っていきます。続編もあるとのことでそちらも楽しみにしてますね☘ (2023年1月23日 22時) (レス) @page49 id: 4bde5e03bb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん!コメントありがとうございます。こちらこそ、本年もよろしくお願いいたします!更新を待ってくださる方が一人でもいてくださることが本当に幸せです。これからも、ときめく物語をお届けしていきますね! (2023年1月6日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年9月6日 22時

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