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152.嘘つきには ページ2

俺は黙ったままAの手を引いて

 静かに自室の襖を開けた。



 部屋に入ると、彼女を壁際まで連れて行き、

 じっとその瞳を見つめる。


 Aの熱い目が揺れて、

 彼女は恥ずかしさからか、

 目を逸らすように俺の胸元に目を落とした。


 火照った頬のまま、

 Aはおずおずと俺の胸元に手を滑らせた。



 熱い指が俺の胸を伝っていく。

 息が止まってしまいそうな刺激に思わず彼女の手を取った。


「こら…」
 

「…あっ、すみません。」



 Aが手を下げようとしたので、

 今度は両手を掴んで壁に押し付けた。



「…A。

 惜しいが、今宵は生家だ。

 あまり可愛い声で鳴いてくれるなよ。」


 
「…こ、声なんて出しませんから!」



「ははっ。そうか。

 その言葉、忘れてはいけないぞ。」


 潤んだ瞳が愛おしくて…


 口づけをしようとAに顔を近づけると、

 彼女は静かに瞼を閉じた。


 キスを待つAの顔を見ると、あまりにも可愛くて

 もっと見ていたくなって…


 唇が触れそうな距離で止まっていると、

 彼女は薄く目を開けた。


 焦ったくなったのか、

 Aは自分から口づけをしようと唇を近づけたので、

 俺は顔を引いて口づけをさせまいとした。


 Aはもどかしそうに困った顔をしている。


 その表情もまた俺を煽るだけで…

 
 俺が再び顔を近づけると今度こそは…と、

 Aが唇を寄せたので、もう一度顔を引いた。



「…杏寿郎さんの意地悪。」



 真っ赤な顔でそう言うAに、

 ついに我慢ならなくなり、いきなり深い口づけを落とした。




「…んんっ」



 優しく口づける余裕など今宵の俺にはなくて、

 貪るように何度も何度も口づけをする。



「…んっ、きょ…じゅろう…さん?」


 キスの合間にAは俺に問いかける。


 きつく指を絡めて離しはしない。


 
「…まだ…話せる余裕があるんだな?」



 Aの首元に口づけをし、首筋をなぞるように舐めると、

 彼女は身体を震わせた。


「…んっ!あっ」


「ん…?声を出さないのでは無かったのか?」


「…出して…いません…」



 俺は一度口づけをやめて彼女の目を捉えると、

 耳元で優しく囁いた。








「嘘つきには…罰が必要だな。」

153.※ほどかれた帯→←151.月だけが見ていた



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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます♡ いつもコメントくださり、本当励みになります!これからの煉獄さんサイドの展開もお楽しみくださいね! (2023年2月3日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - こんばんは。お疲れ様です☺︎すみません。私が早とちりしてしまいました。続きドキドキしますが楽しみにしてます。完結まで見守っていきますね!新作もその時はぜひ拝読させて頂きますね♪ (2023年1月25日 22時) (レス) @page50 id: 4bde5e03bb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん、ありがとうございます♡ 私の書き方が悪くてすみませんが、続編はなく完結いたします!次に移行するという意味でした…!ただ、まだ確定ではありませんが、新作を少しずつ考えていますので…いつかお知らせできるといいです💭 (2023年1月24日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 更新お疲れ様です!いよいよ完結ですね。最後まで2人の物語を見守っていきます。続編もあるとのことでそちらも楽しみにしてますね☘ (2023年1月23日 22時) (レス) @page49 id: 4bde5e03bb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» 美桜さん!コメントありがとうございます。こちらこそ、本年もよろしくお願いいたします!更新を待ってくださる方が一人でもいてくださることが本当に幸せです。これからも、ときめく物語をお届けしていきますね! (2023年1月6日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年9月6日 22時

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