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31.気がかりなこと ページ31

「Aさん、

 お口に合うか分かりませんが、

 遠慮なく食べてください!」


 Aを連れて居間へと向かうと、

 千寿郎が夕餉を用意してくれていた。


「ありがとうございます。これ全部千寿郎くんが!?

 すごく美味しそうです!すみません、準備を手伝わず…」


 彼女に褒められた千寿郎は

 頬を赤くして喜んでいる。


「はい!準備なんて、全然良いのですよ!」



「ありがとな、千寿郎!では、いただこう!」


 あたたかいご飯を家族と食べられるのは

 本当に幸せなことだ。



「うまい!」


 千寿郎は料理が上手だな!


 器用な弟のことを俺は尊敬している!


「うまい!」


「兄上、分かりましたから、

 よく噛んで食べてくださいね。」
 




 夕餉が終わると、俺は母の部屋の箪笥から

 一着の浴衣を手にした。


「母上、お借りします。」





 居間へと向かおうとした時、


 廊下でAを見かけて声をかけた。



「A、これを着るといい。」


 俺は手にしていた藍色の浴衣を彼女に差し出す。


「これは…?」


「浴衣だ。今から場所を教えるから湯浴みをしておいで。」



「ありがとうございます。お借りします。」


 Aは深く頭を下げてお礼を言う。



「あるものですまないな。

 明日は非番だから一緒に買いに行こう!」



「いやいや、有難いです!」




 そのまま彼女にお風呂の場所を案内すると、


 俺は自室へと戻った。




 彼女がお風呂から出たら、薬を塗らなければな。



 俺は胡蝶から預かった軟膏を薬箱から取り出す。



 ぼうっとそれを見ていると、


 部屋の隅に置いていたあるものに気がついた。



 しまった!

 Aに湯上がりに拭くものを渡し忘れた!



 俺は慌ててお風呂場へと向かい、


 まだお風呂に入っているAに声をかける。



「A?」



「…は、はい!?」


 驚いた彼女の声は上ずっていた。


「湯浴み中にすまない!

 体を拭くものを渡すのを忘れてしまってな!

 置いておくから使うといい!」



 間に合って良かった。




「…ありがとうございます!」




「あ!それと!湯浴みが終わったら俺の部屋に来てくれ!

 薬を塗ってあげよう!」



「分かりました!」



 
 そう、治療の一環で薬を塗るだけ。



 しかし、ひとつだけ



 彼女に聞いておかねばならないことがあるな。

32.桃色の肌→←30.癒したい傷



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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - misakimiさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!様々な行動の裏の心情が少しずつ見えてくるかと思います!お楽しみくださいませ(*˙˘˙*) (2022年1月8日 13時) (レス) @page43 id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 煉獄さんの、自分の心の動きについていけてない純朴さたっぷりの初々しさよ。今日も素敵!一週間のご褒美戴きました! (2022年1月7日 22時) (レス) @page42 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 読んでいただけて嬉しいです!辛く悲しい気持ちがありつつも、彼女への愛は変わらないのです。彼の心情の変化を追いながら物語を楽しんでいただけたらと思います!いつもありがとうございます( ˊᵕˋ ) (2022年1月1日 16時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 大正時代の煉獄さんの心の動きが、はっきり分かりますね!今後、惚れていく訳ですから、読み返すと、更に煉獄さんの辛さが際立ってしまうのでしょうね。今から泣けそう。 (2021年12月31日 19時) (レス) @page34 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 前回コメントしてから時間無く、今日15話。うっわ〜、苦しい。煉獄さんの心情を慮ると、涙。愛を誓った人に知らない人扱いされる絶望感。怖いでしょうに、それでも前を向いて、進もうとするのですね。 (2021年12月31日 19時) (レス) @page15 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2021年12月13日 19時

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