ダークな瞳の向こう側【約束のネバーランド】 (ページ5)

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GF ハウス③ ページ5

「問題。現状ノーマンやAにあってエマに無い物は？」

レイが本を閉じることなく言った。

「え？いっぱいありすぎて……」

うろたえるエマにレイは戦略だ、と告げる。

標的がどう動くか、鬼がどう攻めてくるか。状況を観察・分析し常に敵の手を読んで利用する思考が必要――。

まるで身体をフルに使ったチェス、それが鬼ごっこ。

「鬼ごっこが？」

エマが怪訝そうな顔でノーマンやAを見た。

「私は駒としては弱いけどねぇ」

「そこが鬼ごっこの面白さでしょ？」

二人でニコニコするのを見てレイは、な？とエマに目を向ける。

「当然、レイにも策略があるのよね～」

微笑が、にやにやに変わった気がする。

「あるどころか、レイは僕なんかよりずっと策士だよ、Aもね」

エマは真面目になって考えた。

「敵の策を読む、か……」

その様子を眺める他の兄妹。

「あのレベルが一度に4人……ハウス史上初だって」

「勉強も運動も異様に飛び抜けてるもんな」

皆でうんうん頷く。

「中でも断トツの"頭脳"を持つ天才ノーマン」

「その天才と互角に渡り合える"博識"で"知恵者"のレイ」

「抜群の"運動神経"と驚異的"学習能力"で常に追随するエマ」

「優れた"演技力"と"計算高さ"で常に微笑を絶やさないA」

聞こえてか聞こえずか、Aが振り向いて笑みを深めた。