GF ハウス�� ページ3
――ぴったり六時
カランカランという音が響く。ハウスの朝は始まった。
薄桃色の髪の毛を横で束ねた少女は、既に身支度を済ませ、ギャアギャア騒ぐ室内を横目にスケッチブックに筆を走らせている。
「おはようA！」
エマがフィルを抱きかかえてドタドタとAの横を通過する。
Aはスケッチブックを閉じて立ち上がり、食堂へと足を運ぶ。
エマがレイにいじられているのを見てくすりと笑うと、ノーマンとレイに声を掛ける。
「おはよ、ノーマン、レイ。朝からエマをいじり倒すって、中々いい趣味よね」
「はは、僕はいじって無いよ」
「事実だろ」
心を貫かれたエマに、ママがクス……と笑ってとどめを刺す。
「ママぁ……もっかい入り口からやり直す！」
「どうして？私は好きよ、エマのそういうところ」
エマは中身五歳のところ！？とわめく。
「仲間みんなを大切に思っているところ」
「ありがとう……」
その様子を見ていたノーマンが、
「利用して裏切る誰かさんとは違ってね」
とクスクス笑ってAを見た。
「あら、たかが鬼ごっこやチェスじゃない。」
にんまり笑う。
「だからエマに惚れたんだ？」
返事は無かった。
――そして
『Age11type1各問10秒以内に答えなさい。それでは始めます。』
毎日のテスト。ピ、ピ、と無機質な音が続く。Aは微笑を絶やさずに問いを次々こなしていく。
「結果を返すわねー」
ママの声がひびいた。
「ノーマン レイ エマ A すごいわ4人とも！またフルスコアよ！」
Aはテストが嫌いだった。それでも微笑を絶やさないのが、良いところなのか悪いところなのか……
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作者名：愛子＊ビー玉 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayamek05102/
作成日時：2018年6月20日 22時
