太宰(姉)は米花町在住です！【文スト×コナン】

８話 ページ10

あれから捜査は進み、犯人は宇佐木さんだと分かった。

乱歩さんとまではいかないけど、とても鋭い推理だ。

でも、江戸川コナンという少年は、何者なんだろう。僕も鏡花ちゃんもびっくりしている。

被害者の傷口から犯人は右利きだと当てたり、被害者の指の形を影絵のウサギだと見抜いたり。

世良真純っていう高校生も協力はしていたみたいだけど、コナンくんはどこか不思議だ。

宇佐木さんは、閉所恐怖症なのに暗い山小屋に閉じ込められて、パニックの末振り回した斧が偶然彼女に当たってしまったらしい。

成り行き殺人だ。

「彼女があんないたずらさえしなければ、子供たちと女性も閉じ込めなかったのに……」

え？

「女性……？と、閉じ込めたって、その山小屋に？」

コナンくんが聞く。

「ああ……もう手遅れだろうけど……」

宇佐木さんの言葉に、僕も鏡花ちゃんも、コナンくんも世良さんも目を見開く。

「なんてことを……！」

思わず口に出した。僕が虎の異能力で、報告に来た警察官をすり抜けようとすると、太宰さんに止められた。

「太宰さんっ！子供たちがっ！」

横をコナンくんと世良さんが通りすぎていく。

「大丈夫だ。山小屋にいる人たちは全員助かる。」

「え？」

「……」

鏡花ちゃんは黙って考え込む。









――彼女がいる限り、どう頑張っても全員助かってしまうのさ。

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