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そんなとこから ページ9
初めての体育祭。
先輩は顔にキラキラしたの付けてたり、朝から美容院行ってヘアセットしてきたり。
デコレーションされたメガホン持ってたり、カップルがSNS映えしそうな写真撮ってたり、向井くんにはツーショットの順番待ちの列ができてたり。青春ってすごい。
｢Aちゃんはああいうのやらないの？｣
開会式もまだなのに盛り上がってる運動場を遠目で見てると、目黒くんがひょこっと後ろからやってきた。
なんでそんなとこから？
｢やり方がわかんない、から。笑｣
｢Aちゃんらしいね。笑｣
｢目黒くんこそいいの？｣
｢俺はねー、逃げてきた！笑｣
そう言って目を細めて、群衆を見て笑う。
なるほど。だからそんなとこから。
たしかに耳を澄ませば、蓮くんどこか知ってる人ー！なんて情報収集募ってる子がいる。笑
｢蓮くんここですよー、って言っちゃおうかな。笑｣
｢まじで止めて。笑｣
ふざけて手を挙げるフリをした私の腕を、焦ってさげる目黒くん。可愛い。笑
｢でも、蓮くんはいいよ。｣
｢…ん？｣
｢だから、Aちゃんも蓮くんって呼んでいいよ。てか呼んでよ。笑｣
｢蓮くん、ね。分かった！｣
｢はい、甘酸っぱいとこ申し訳ないけど、そろそろ開会式の時間だよ。｣
あれ？
｢そんなとこから宮舘先生！笑｣
｢うん、俺もちょっと逃げてきた。｣
そう言ってウインクをキメて群衆に溶け込んでいった。
｢相変わらず爽やかだな。笑｣
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作者名：あやめ
| 作成日時：2023年10月21日 5時
