瞳 ページ48
深澤先生は黒いパーカーに、デニムのスキニー。眼鏡もしてる。バケットハットも被ってる。
校外ということもあって、動きやすく、いつもより少しラフな先生。この数日でまた知らない先生を見れると思うと、ちょっとニヤけちゃいそう。
ボーッとしてると既にどこかに移動を始める一同。
…やば、聞きそびれた。とりあえず近くの生徒についていこう。
「どーこ行くのかな？お嬢さん？」
腕を引かれて振り返ると、さっきまで前に居た、先生。
「あの、移動を…」
「うん、話聞いてた？」
すみません…
「聞いてませんでした…」
「はい、なんて言うの。」
「すみませんでした…」
もー…、と、口をきゅっと結んで、ムッとした顔をする。
なにそれ、可愛いです。
私の心が読まれたのか
「ねえ、ほんとに反省してる？」
「…はい…。」
「ほんとに今回は、俺もお前から目を離さない訳にも行かない瞬間あるだろうから。ちゃーんとしてよ、ね？」
いちいちドキっと刺さってしまうのは、修学旅行マジックなのか。
雪のあの日から、先生がちょっと、いや、だいぶ優しいと言うか、なんだか甘い気がしてならない。
今は５組のクラスの移動だからねー、知らない人にはついて行っちゃダメよー。なんて注意する先生にゆるっと視線を向けると。
「…あー…おま、なんだその目は…」
やれやれとした表情で呆れる先生。
そんなダメな
「ちょ、もうなんかこいつダメな気する！白石ちゃーん？こいつよろしくねー？」
なんだかニヤニヤと楽しそうな菜乃は軽くはーい！と返してた。
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作者名：あやめ
| 作成日時：2023年10月21日 5時
