恋するオトメ ページ45
私ですかー…
｢分かりませんねー…｣
返答に困る。なんだか立場逆転して問い詰められてる気分。
｢かあいいんだから彼氏のひとりやふたり、作ればいいのに！笑｣
あ、やべ、可愛いってセクハラだっけか？
…そんなこと言って慌てる先生の方が可愛いです。
｢先生はどんな恋愛してたんですか？…好きなタイプ、とか…｣
｢えー？笑 そうくる？俺が答えたら賢木ちゃんも答えないとダメだかんねー。…そうねぇ…。｣
自分から聞いたくせに、聞きたいような、聞きたくないような…。恋するオトメ、本当厄介。
｢んー…髪はボブの子が多いような…。｣
多い、とは。どんだけいるんだ。過去の人たち。
｢あとなんだろ、ショーパン、とか？笑｣
それはなんか…
｢フェチ、ですね…。｣
｢いいじゃん！…賢木ちゃんにしか言えないわ。笑｣
マフラーを巻いてくれた時に、中に巻き込まれてしまった髪を、首筋に手を滑らせてちょっとごめんねーって出してくれた長い髪を見る。
この髪もボブにしちゃおっかな、なんて。
｢でもやっぱ、内面だよね！笑｣
｢ここまで言っといてそんなありきたりな。笑｣
｢えー…長い髪もいいけどねー！｣
｢そう言うこと言ってませんよ…｣
｢えー？じゃあ、なんて言って欲しかったの？｣
あ、あれだ。
今日、教壇で目が合った時みたいな悪戯っぽい、試すような笑顔。
｢…別に、そんなのないですよ…｣
消え入りそうな声に満足したのか
｢んー…うそうそ、やっぱり1番大切なのは、俺のこと好きなコ、かな？｣
んふって笑うと、あ、賢木ちゃん降りるよーって席を立った。
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作者名：あやめ
| 作成日時：2023年10月21日 5時
