体験入部？ ページ41
文化祭も終わって、しっかり秋。次のイベントは冬の修学旅行だー！なんて学年中は浮き足立っていた。
｢ほんとお前らって、薄情だよね。｣
そう拗ねてるのは、元担任、岩本先生。
｢向井と白石も来ねえし。目黒と賢木なんて俺のクラス以外全部行ったらしいじゃん？｣
｢岩もっちゃんのクラス筋トレ教室だったんだもん！行くわけないよー！笑｣
けたけたと笑って傷を抉る菜乃。
｢お前ってホント…はぁ。｣
｢俺は行ってもよかったすけどね？Aのこの薄っぺらい腹筋鍛えるにはもってこいだし？｣
そう言って私のお腹をぽんぽんと叩く蓮。
｢おーい？セクハラしてねーで早く教室入ってくんねぇ？HRやるよー。｣
深澤先生がだるそうに教室のドアから顔を出して、廊下に叫ぶ。
｢なぁーにがセクハラやねん！自分も大概やないかぁ！｣
プンスカしながら教室に戻る康二。
｢まあお前も…大変だよな……｣
眉を八の字にして、無くなるんじゃないかってくらいふにゃりと目を細めて苦笑いする岩本先生。
…大変？
…ああ。
｢やっぱりこの腹筋を鍛えるのは大変ですかねぇ…。｣
｢うん？あー…、うん。笑｣
絶妙に噛み合ってない気がするけど…？まあいっか。
｢まぁいつでも鍛えてやるよ。陸上部は短期の体験入部もあるからね。是非。｣
｢お世話になることも…なくもないかも、しれなくないかもですね…｣
｢お前それどっちなんだよ。笑｣
｢岩本センセー！ホーム！ルーム！早くー！｣
さっきとは逆パターン。
岩本先生は生徒に呼ばれて、小走りで隣の教室へ入っていった。
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作者名：あやめ
| 作成日時：2023年10月21日 5時
