つい男物かと ページ39
｢ありゃ？ラウーールゥーー！｣
声はするけど、人に埋もれて姿は見えない。
｢この声は、さっくんー？どこー？｣
｢ラウールゥ！｣
てけてけっと出てきたのは、ピンク髪の先生。
｢あれぇ〜？どこぉ〜？｣
｢いるよね？目の前にいるよねぇー？｣
｢あぁ、いた〜！縮んだ？｣
｢ラウールゥーが伸びたんじゃなーい？｣
｢やべえ、このコンビおもれえ。笑｣
蓮はずっとゲラゲラ笑ってる。
｢ありゃあ？かっしーちゃんの可愛いメイド服はもうおしまいなの？｣
｢あー、はい、寒くて！｣
｢ええー！もったいない！ラウールゥは見れた？｣
｢待って。俺さっきからその、ラウール
｢え〜僕見てない！ちょっと失礼しまーす！｣
そう言って腰を落としてパーカーのチャックを開けるラウール。
この子の距離感どうなってるんだろ。笑
｢えー！かわいー！確かにこれで出歩いてたら心配になっちゃうね！めめナイスだよ！｣
ごめんね、って言ってまたチャックをあげられる。
｢んや？俺じゃないよ、これ。｣
｢あ、そうなんだ！大きいからつい男物かと思った！｣
あははー。
…乾いた笑い声しか出せないです。
｢ねえそういえば僕、舘さんのスパゲティ食べに行きたい！｣
｢あー涼太のとこね！超上手いよ！行った方がいい！｣
佐久間先生の太鼓判もあって、宮舘先生のクラスへ向かうことに。
去り際
｢ふっかのパーカー汚しちゃダメよーう？｣
って私にしか聞こえない声で囁いた佐久間先生の洞察力は計り知れない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 551人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あやめ
| 作成日時：2023年10月21日 5時
