紛らわしいよ ページ38
お前ら紛らわしいよ？
そう言って、チベットスナギツネみたいな顔してこっちを睨んでくる渡辺先生。
かっこいい顔が台無しですよ。
｢えー、しょっぴーかわいー！｣
近くにいる女子生徒がはしゃぐ。…撤回。台無しでもないみたいです。
｢紛らわしいことしてると色々、みんな泣くぞー。学校中が失恋パンデミック！｣
たしかに。正直蓮の横を見て、え…って顔する先輩や後輩の視線に気づかなかったわけではない。
｢ごめんね、蓮…？｣
｢ううん、Aもごめんね？｣
｢おい！だからその甘い感じが紛らわしいよ！俺もいるかんね？！ふたりの世界すぎねえ？｣
｢うはっ笑、しょっぴーおもれえー。笑｣
｢おいめめ。どっか行けよ！｣
これじゃまるで、どっちが年上か分からない。笑
｢あれ！めめー！Aちゃーん！…いてっ｣
そう言って高く手を挙げたラウールは天井に指先をぶつけてる。
｢お前いい加減自分の身長分かれよ。笑｣
｢ええー…だってまだ伸びてるんだもん…仕方ないじゃん、ね？先生？｣
まだ伸びてるんだ…？
｢お前ぜってえ嫌味だろ？｣
｢そんなことないよぉ、しょっぴーかわいい！｣
｢うぜえ！｣
｢Aちゃんはもーっとかわいい！｣
そう言って後ろからギュッと抱きつかれる。
ええ…
｢お前がいちばん可愛いよ。笑｣
そう言ってラウールの腕の中でもがく私を助ける蓮。ありがとう。
｢ねえ、どっか行こー！｣
ラウールは右手に私を、左手に蓮の手を取るとグングンと進み出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 551人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あやめ
| 作成日時：2023年10月21日 5時
