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相談にのってよ ページ35
大人になりたかったから。かな。
伏せられた目はそのままに、緩く口角をあげて、そう言った。
ああ、なんか聞かなきゃよかった、と思ったのはきっと本能。
どうしたらいいか分からない空気を変えたのは、バタバタッと響いた足音だった。
｢ふっかいる…？！…あ、賢木さん。ふっか、ちょっと。呼び出し！｣
｢おーどうした阿部ちゃん。笑 行くよー。｣
そう言って阿部先生と準備室を出ていったと思えば、またすぐに阿部先生が戻ってきた。
｢僕もゆっくりしちゃおうかな。笑 みんなには内緒ね？｣
人差し指を唇の前に持ってきて、シー、ってウインクなんかしてる。
あざとい。JK顔負けです。
｢賢木さんはさー、先生と生徒の恋愛、どう思う？｣
ぶっ、って吹き出しそうになる。何それ。
｢…なんですか、それ。｣
｢いやいや、実は相談を受けたことがあってねえ。｣
｢はあ…｣
｢俺の立場からは正直何も言えないんだよね。笑｣
あ、僕から俺に、崩れた。
｢賢木ちゃんはさ、好きな人とかいる？｣
｢ええ…いません、よ…。｣
｢うん。そっか。じゃあ俺が先生ってこと忘れて相談のってくれない？｣
｢はい…私で良ければ、ですけど。｣
なんだか阿部先生の前ではボロが出そうで、怖い。
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作者名：あやめ
| 作成日時：2023年10月21日 5時
