コレクトアンサー【tatsuya.f】 (ページ31)

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男子グループページ31

菜乃と康二が休憩でいなくなって、蓮くんも部活の出し物で一瞬体育館に行っちゃった時。

びっくりするくらいお店は落ち着き始めた。空席もあるし、男女比も半々…むしろここへ来て初の男の人が多いくらい。
休憩所みたいな穏やかな空気が流れてた。

適当に教室内を歩き回ってると、右前の男子グループの席から、パタン！とスマホが落ちた。

｢あ、すみません、あざっす！｣

｢いえ…！｣

同い年くらいの好青年。4人で楽しそうに盛り上がってる。
チラチラとやたら目、合うなーと思ってたけど、なんか悪い気はしなかった。
なんとなく、どこからか聞こえてくる文化祭マジックのワードとか、非日常に浮かれてたんだと思う。

｢あっ…！｣

と大きな声とともに、さっきのお兄さんたちのテーブルから紙コップが落ちた。
中に入ってた、オレンジの液体が床にひろがる。

｢大丈夫ですよ、私やりますね！｣

｢えっ、でも…すみません…｣

と同じ目線までしゃがんで謝るお兄さん。

｢こいつがすんません！笑｣

と、床を拭いてる背後でわざわざ心配そうに立って謝るお兄さん。

｢全然です、座っててください…！｣

優しいななんて思いながら床を掃除してると、ふいに影が手もとへ重なった。
ふわっと柔軟剤でもなさそうな、大人っぽい、でもキツくない香水の匂いがした。

｢俺、やるから。お前あっちの席のオーダー取ってきたげて？｣

え…？

｢あ、はい…。｣

なぜか急に代わってくれた先生の言う通り、その場を離れた。