効果抜群 ページ29
今日は文化祭の出し物を決めたいと思います！
そう、意気揚々と仕切っているのは、文化祭実行委員の女の子。
先生は脇でつまんなさそうに座ってる。足なんか組んじゃって。
うちのクラスはよくある、執事メイドカフェに決まった。主に康二がノリノリ。そして意外と蓮くんもノリノリ。
｢本当お前ら、ませガキだわ。笑｣
｢そういうふっかさんも、JKの生脚楽しみなんちゃうのー？笑｣
ドキっとする。
一応あの日から、毎日脚やせマッサージは欠かせない日課になったんだよ、先生。
｢お前ねぇ、俺らがガキの脚にコーフンするわけないでしょ？笑 俺は綺麗なおねーさんがいいのー。｣
そんな返しに、えーふっかもませてんじゃんーなんて女子たちがキャーキャーはしゃぐ。
そんな教室内の喧騒も、まるでテレビを見てるかのように自分から遠ざかっていく感覚。
ガキ、。
なんでガキなんだろ。
なんで先生なんだろ。
考えたって仕方のないことをぐるぐると考えていたら、いつの間にかみんなは採寸でバタバタと動き回っていた。
出遅れたまま、教室の端で座ってると、
｢お前は採寸しねーの？｣
と、横に先生は腰かけた。
｢…あ、します。｣
｢ん、早くしてこい。あ、あと……Aさん？フェチの話はくれぐれも内密に…｣
年下の私が言うのも変だけど、調子よく、口封じをされる。男の人にしては小さくて細い綺麗な手を顔の前で合わせて、困ったように眉毛さげて片目をつぶってる。
…ほんと調子いい。こんな表情、みんなは見たことあるかな。
でもそんなことより、先生はふざけてるつもりでも、名前で呼ばれたことだけで、まだまだしばらく好きでいそうなくらい効果抜群だった。
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作者名：あやめ
| 作成日時：2023年10月21日 5時
