タイミング ページ22
久しぶりに4人の予定が合ったので、放課後ファミレスに来た。青春って感じ。
｢なぁ、俺ずっと思ってたんやけど、そろそろ向井くん辞めへん？｣
…あ、私？
｢めめだけ蓮くん呼びずるいやん！｣
｢分かった、康二！｣
｢お、おお！すーぐ言うやん！1ミリも照れずに言うやん！｣
｢じゃあおれ、菜乃とAって呼ぼー。｣
｢ええ…またそうやって先いくやん…｣
ふはっ、ってしてやったりな蓮くん。
｢というか私気になってることあります！｣
そう言って挙手する菜乃。
｢何ぃ？｣
｢蓮、文化祭実行委員一緒にやってる子に告られたって本当ですか！｣
｢え！そうなん！なにそれ俺知らん！｣
きょろきょろする康二。
｢あー…そういうのは相手の子のプライバシー？があるし、んー…ノーコメントで！｣
いや、それもう肯定だと思うけど…笑
でも蓮くんのこういうところ、いいところ。
｢めめモテるのになんで誰とも付き合わないん？好きな人おるん？｣
たしかに！
｢あー、うん。いる、かな？｣
｢えー！何それ何それ！あ、でもちょっと私分かるかも！｣
｢ええー！菜乃が？！俺全然分からんのやけど！｣
へえー…私も全く分かんないなー。
｢Aは？｣
｢うん？｣
｢…A、いないの、好きな人。｣
いつになく真剣な、菜乃。
別に恥ずかしい事じゃない。きっと応援してくれる。それでもなんだか言っちゃいけない気がする。
もし辞めなよって言われたら？辞められる？
報われないよって言われたら。
そんなの知ってるよって怒りたくなる？
でも、こんなに真っ直ぐに向けられた視線に嘘なんてついていいのかな。
｢うー………ん。｣
言い淀んでいたら、
｢あれ…？やっぱり！めめじゃん！やっほー！｣
同じ制服を着た、やけに顔が小さくて背の高い男の子が話しかけてきた。
｢お前、タイミング最悪……いや、もはやもう最高だわ…。｣
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作者名：あやめ
| 作成日時：2023年10月21日 5時
