かしき ページ19
簡単な自己紹介が終わったら、次は恒例の係・委員会決め。
去年は少しでも先生と関わりたい！と完全な下心で立候補したけど、正直今年はもう何になっても関われる箔付きクラス。
何にしよーってみんながわらわらと相談する中、向井くんが
｢Aちゃん！文化祭実行委員やろーや！4人枠あるんよ！｣
と大きい声を出した。
へえ…4人…！
｢康二相変わらずだねー、私に言えばいいのに！｣
｢菜乃ちゃうて！｣
｢でも4人って私もいるよね？｣
｢…せやけど…。｣
相変わらずのやり取りに蓮くんと目を見合わせる。と。
｢あの…！菜乃ちゃん嫌じゃなければ私たち文化祭実行委員やってもいいですか…！｣
って近くの女の子ふたり。
｢え？うん、全然！…え？あ！そういうこと！｣
康二くんいい…？ってきゅるんってしたこんな可愛い子誰も断れるわけない。
｢ええよ！やろやろー！｣
とふたつ返事で向井くんと蓮くんと女の子ふたりが決まった。
｢じゃあ私去年と同じにしよっかな！｣
そう言って菜乃は先生のところへ行って、黒板に名前が書かれる。
余ったものでいっか…なんてボーっとしてたら、
｢じゃあ賢木ちゃんも去年のでいーい？｣
って先生は、教科係の下に、かしき、って書いた。
どうしよう。
これからきっと何度も、先生は私の名前を書く機会があるって事だよね。
ただの名前にすらドキドキして。
お世辞にも上手じゃない、平仮名の"かしき"を、日直が消す前にこっそり写真撮ったのは誰にも内緒。
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作者名：あやめ
| 作成日時：2023年10月21日 5時
