コレクトアンサー【tatsuya.f】 (ページ2)

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綿飴ページ2

「皆さんは今日から〜…」

…なっがい。

長すぎる。

どうしてこうも式の大人の話は長いんだろう。

「あの先生かっこよくない？」

「え、ほんとだ。でも私その隣派。笑」

横の列の女の子たちなんて、飽きて小声で話し始めちゃったよ。というか、友達作るのはやー…。

しばらくして

「…ありがとうございました。次に各クラスの先生の紹介です。」

と司会の人の言葉に一気にざわつく生徒たち。

「えっ、さっきの先生たちどっちも1年じゃん。ワンチャンあるよ！笑」

そう言って両手を組んで祈る隣の女の子。イマドキの子って感じ。

そんな私はどこか他人事で。

舞台上に好奇の目を向ける同級生たちを見ていた。

＿＿＿見ていたら。

「6組を担当します、深澤です。よろしくお願いしまーす。…え？なに？笑…あっ、担当教科は英語ね。笑」

少し高めの声。

綿飴みたいな、ふわふわしてて、すぐに溶けてしまいそうな。そんな声。

反射だった。

この声の人はどんな人なんだろう。

隣の子の瞳が揺れたのを確認して。

舞台上に目を向けると。

へらって笑う、…ふかざわ先生。

横から、やばいまじで担任なんだけど！なんて声が聞こえる。

無意識に向けた視線は、ふかざわ先生が壇上から降りて、横の6組へと向かい始めても離せなくて。

ふかざわ先生はそんな私へ、ゆらりと視線を向けた。

…いや、私が見ているから勝手に自分へと錯覚したけど、多分横の私たち(・・)5組へ向けて。

ゆっくり瞬きをしてまた隣のクラスへ視線を流しても、まるでスローモーションを見てるみたいに目を離せない。

「よろしくねー笑」

先生は自分のクラスに向けて、やっぱりふわふわした声で、へらっと笑った。

…6組いいな、ってちょっとだけ思った。