コレクトアンサー【tatsuya.f】 (ページ1)

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少女漫画ページ1

新しいシャツ、新しいブレザー、つい最近まで履いていたスカートより少し丈の短いスカート。ピカピカのローファー。

行ってきまーす。と、リビングでバタバタと朝の支度をしているお母さんに聞こえるように、ちょっと声を張ると、

「はーい、行ってらっしゃい！」

なんて、負けずと大きな声が返ってきたのを確認して玄関を出た。

学区域で進学した中学校への登校とは違う、自転車で20分弱の通学路。入学祝いで買ってもらった3段階のギアのついた自転車に跨って、これから3年間通る道を漕ぎ始める。

楽しい３年間になるといいな、友達はできるかな、好きな人なんてできちゃうかな。

部活は何にしようかな。バイトとかやってみたいな。

少女漫画の主人公みたいに、ありきたりな淡い期待と、ちょっとの不安を抱えながらペダルを踏む。

小川に沿った桜並木を抜けて、坂を登って。

小さく見えてきた校門には、入学式と書かれた定番の大きな看板が堂々と立っている。

雲ひとつない空も、綺麗な桜も、制服を着こなせていないおそらく同級生であろう人たちも。

ああ、やっぱりなんだか少女漫画みたいに、描かれる通りの綺麗な入学式だな、なんて思いながら校門をくぐった。