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かっこいい ページ8

ついに、動き出した。




「1度、綿座先生にはこの台本に目を通してもらって…」

ドラマ化の打ち合わせで、お世話になっている出版社に来た。




次の締切はかなり先で、ゆるゆると書き進める毎日の中、ついに始動したドラマ。
と言っても、脚本家の方が私の原作を元に台本を作って私のゴーサインが出てから、スタッフやキャストの完全な確定をしてやっと、撮影が始まるらしい。だから放送は、更にもう少し先。意外と時間かかるのね…。


「私、担当の先生の作品が映像化されるの初めてなんです!芸能人に会えるのが楽しみです!」

ありがとうございます!と明るく話すこの子は、1年前から私を担当してくれてる土屋ちゃん。同世代で話しやすくていい子。



簡単な打ち合わせを終えて会議室を出ると

「あ、A来てたんだ!」

と、不意に背後から声をかけられた。

この声は。



「っ秋葉!ひさしぶり。」
「聞いたよードラマ化だって?売れっ子大先生?」
「やめてよ。笑」


秋葉は大学時代の親友。同じ文学部から出版社に就職した秋葉。あの時はまさか、私の本がこの会社から出ることになるなんて夢にも思ってなかった。


「そろそろ連絡でもしようかなと思ってたんだよね。どう?最近は。」
「うーん、ぼちぼち?」
「よし!今日ひま?」
「今日?…行けるけど。笑」

秋葉の行動力は変わんないな。昔から思い立ったら即行動!派。私より背が低くて、髪もふわふわ長くて可愛らしいのに、内面は男気あってちょっとかっこいい。


「ごめん、私もう少しで終わるからそこら辺のカフェでも入って待ってて!はい!」

そう言って千円札を渡される。これで待っとけ、と。やっぱりかっこいい。

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作者名:あやめ | 作成日時:2023年11月18日 5時

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