綺麗系？可愛い系？ ページ20
お手洗いに席を立った深澤さんが戻ってきて、背後で足を止めた。
｢あれ…この本！俺最近読んでんのよ！綿ちゃん知ってる？｣
そう言って壁沿いの本棚をじーっと見てる。
あー…それは、知ってるもなにも…。
｢ええ…まあ…｣
あんまり面白くないよねーとか言われたら普通に凹む。気まずい。言われませんように。
｢これ翼くんの趣味なのー？｣
｢あー…はい！｣
深澤さんが物珍しそうに1冊を手に取って表紙をめくる。
｢…ってあれ、サインまであんじゃん。｣
｢いやー…実は？この作者さん、常連の方なんですよ。｣
｢ええ？！綿座さん？！｣
翼…絶対面白がってる。…ほら、そんな目でこっち見ないでよ！思いっきり睨み返す。
｢へぇ、すごいねぇ。ね、綿ちゃんは会ったことある？｣
｢私は多分…ないと思います…？｣
｢疑問形？笑｣
｢いや…会ったことあるかもしれないですけど、認識はしてないです。｣
｢あぁ、そゆこと。…えー、この人の話、結構えぐい事件が出てきたりするからなぁ。こんなの書く人、どんな人なんだろとか思っちゃうよねぇ。どうしよ、超可愛い子とかだったら。笑｣
…翼。どうにかしてよ…
｢ねぇ翼くん、この人、男？女？｣
｢…女性ですよー。笑｣
｢うわ、まじ？！笑 綺麗系？可愛い系？｣
生き地獄だ…
｢んー、どっちだろ。笑 分かんないっすねー…笑｣
｢え、なにその微妙な反応。あんまりな感じ？笑｣
｢深澤さんは顔がかっこいいからいいですよね！人は内面なので！しっかり内面を見てあげてくださいね！！｣
｢え、綿ちゃんどうしたの。笑 てか俺褒められてる？笑 …大丈夫よ、綿ちゃんは内面もかあいいし、お顔もかあいくて綺麗だから！笑｣
そう言ってあやされる。
｢もう！そうやって馬鹿にして…翼も…！｣
｢馬鹿にしてないよ。笑 ね、翼くんもそう思うよね！｣
｢俺は…Aが可愛い系か綺麗系か、分かんないんですよねー。笑｣
つばさ！！！
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作者名：あやめ
| 作成日時：2023年11月18日 5時
