異様な形 ページ15
とりあえず、どうぞ。と促されるままに座る秋葉と目黒さん。
知ってる、この顔の人。宣材写真で見たことある。
｢えっと、とりあえず、お店の前には誰も居なかった。隠れてたら分かんないけど。｣
｢そっ、か…。ありがとう。｣
油断は禁物だけど、一旦胸を撫で下ろす。
｢で、深澤、さん？…はじめまして。
｢…はじめまして。綿ちゃんの、トモダチ？です、深澤辰哉です。…めめと一緒に仕事してます。｣
｢…存じてます。で、A、こっちが幼なじみの蓮。｣
｢目黒蓮です。ふっかさんと同じメンバーです。｣
｢ちょ、おま！｣
焦る深澤さん。
｢あ。深澤さん…あの、すみません…存じてました…。で、目黒さんはじめまして、綿鍋Aです。｣
｢んぇ？綿ちゃん俺の仕事知ってたの？…言ってよぉ、もう。俺ハズ！｣
｢なんか知られたくないのかな、と…。｣
｢言い出すタイミングがなかったの！｣
そんな私たちのやり取りを見て、秋葉はハッとする。
｢え、てことはA、不器用刑、｣
｢秋葉！うん、それは追追、おいおいね…？｣
不器用刑事、アブナイ。タイトルにも作中にもそんなワードは出てこないけど、察しの良さそうな深澤さんにバレかねない。
これがバレるのは今じゃない気がする。
｢翼は知ってたの…？｣
｢え、うん。たまに秋葉ちゃん、目黒さんと来てくれるし。逆にみんなが繋がってなかったことにびっくり。｣
たしかに。今まで繋がってないことが不思議なくらい、それぞれが近すぎる私たち。
自分以外の3人のうち、みんなが1人知らない人という異様な形。
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作者名：あやめ
| 作成日時：2023年11月18日 5時
