無駄な色気、ない色気 ページ10
1年間全く隣人の気配を感じていなかったくせに、再会は案外すぐだった。
｢あっ。｣
｢え？…あ。｣
いつも通り、退勤して最寄りのコンビニでお酒を選んでいると記憶に新しい声が聞こえた。
｢仕事おわり？｣
｢うん。ふっ…そちらも？｣
ふっかって言おうとして、辞めた。
私に名前を知られたくない人が、コンビニならあだ名すら呼ばれたくないだろうと思ったから。
そんな私の意図は汲み取れず、なんで呼ばなかったの？と言いたそうにキョトンとしたのもつかの間、なぜかすぐに嬉しそうに笑うと
｢俺も仕事おわりー。…いっちゃいます？笑｣
と、お酒をクイっと飲むジェスチャーをした。
なにそれ、古！
ふっかに乗せられたわけじゃないけど、明日は休みだし！とビール2缶を手に取ってチューハイを吟味する。
｢こっちに入れなよ、この前のお礼！｣
そう言ってふっかのレジカゴが差し出される。
｢え、いいの？｣
｢もちろん。助けってもらったかんねぇ。あのままじゃ俺、凍えてた。笑｣
｢たしかに。足先から逝っちゃってたね。｣
結局、ちゃっかり奢ってもらっちゃって。
俺タバコ吸ってから行くから先帰っててーなんて言われてコンビニを出た。
…何、さっきの。
慣れたひとりでの帰路、やけに熱くなった耳を抑えながら脳内を支配するのはさっきのふっかだった。
レジでふたりで横に並んでいる時、急に腕を引かれて近づいたかと思えば
｢あとでそっち行くから待ってて。｣
って耳元で囁かれたいつもより少し低い声。
何、あの無駄な色気。
無意識なら相当タチ悪い。
…わざとなら、ずるい。
むしろこんなに動揺するならひとりにしてくれて良かった、なんて気を紛らわせながら家に着いて、いつも通りの適当なTシャツとスウェットに着替える。
…逆に私はなんて色気のない女なんだ。
雅ちゃんに、化粧っ気！女として！って説教されても響かなかった自分に後悔。
…まあふっかだし、たかがお隣さんだし。
いっか！と開き直ったところでインターフォンが鳴った。
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あやめ(プロフ) - るなさん» コメントありがとうございます！……見切り発車した秘密のお友達、ご期待に応えられるか分かりませんがこの先も見守って頂ければと思います。笑 (1月20日 4時) (
レス) id: 76de914c7b (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - お話大好きです！渡辺くんとの関係を知ったふっかさんのリアクションが気になります笑笑 これからも楽しみにしてます！ (1月19日 20時) (レス) @page42 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - まぷさん» まぷさん、ありがとうございます ; ; 全部…嬉しいです。こうやってコメント下さって私が認識してしまったのでもう勝手とは言わせませんよ( ⩌⤚⩌)笑 これからもどうぞよろしくお願いします…！ (1月10日 19時) (レス) @page18 id: 2dd2e7231f (このIDを非表示/違反報告)
まぷ(プロフ) - あやめさんのお話全部読ませていただいてます！勝手にめちゃくちゃファンです、、♡更新楽しみにしております！ (1月9日 22時) (レス) id: a95612f43b (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - 美紀さん» 前作に引き続き、コメントありがとうございます ; ; 糧になったので新作、始めちゃいました。笑 これからも楽しみにして頂けるよう推敲に励みます！ (1月6日 19時) (レス) id: 5b6428e648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやめ
| 作成日時：2024年1月6日 7時
