天邪鬼 ページ26
｢離れないの？｣
そんな事、聞くなんてずるくない？
ジッと動かない私にそんな質問、愚問でしょう。
｢…離さないの？｣
分かってて、言わせようとするふっかが悔しくて素直に答えない私も天邪鬼。可愛くない答え。
雅ちゃんだったら、離れたくないの！の一択だろうなぁ。語尾にハートなんて付けちゃったりして。
生憎、そんな可愛さ持ち合わせてないの。
｢んは笑、ハイハイ、Aちゃんも離れたくないってことね？｣
｢違っ、｣
すると、耳にカプって噛み付かれた。
もうパニック。え、急に？え、なんで？
｢っ…ふっか…！｣
｢それとも、俺ともっと楽しいこと、する？｣
耳元で聞こえる低い声に、ぞわっと身体が強ばる。
手の早いふっかに流されたら、それこそソウイウ友達になったら…
………だめだ！
｢っばか！｣
｢ぅお！痛っ！笑｣
ペシっと頭を叩く。
｢ほんとに油断も隙もないね…｣
｢誰にでもって訳じゃないけどねー？｣
｢どうだか。｣
無事に解放された私はやっとリビングに入った。
何あれなにあれ。やめてほしい。
これじゃまるでふっかのおもちゃだ。
動揺を隠すように水をがぶ飲みして、ふっかにも差し出すと、聞けばふっかも外でお酒を飲んできたらしい。
お酒は弱いんだよねーなんて言って飲んだところを見たことなかったから、酔ってるところは珍しい。というか新鮮。
ちょうど家に帰ってきたタイミングで、隣から扉を開ける音が聞こえたから一緒に飲み直そうとインターフォンを押したらしい。
…そんなことで嬉しいとか思わないで、私。
そっか。何だかいつもと違うように感じたのは酔ってるからか。
目がとろんとして顔が少し赤いのも、無駄に甘い声なのも、3割増の色気も。
｢ふっかこそ酔ったら危ないでしょ？こんなにふにゃふにゃしてたらその…、簡単に家なんてあがっちゃだめだよ。気をつけて…｣
なんて、この可愛い男に結構本気で、簡単に襲われちゃうよ？なんて思ってさっきの仕返しで皮肉交じりに声をかける。
｢ええ？おれ、Aちゃんに食べられちゃうのー？｣
｢そうじゃなくて！！｣
｢Aちゃんなら仕方ないなあ…優しくしてよぉ…？｣
｢変なこと言わないで！！｣
『俺ともっと楽しいこと、する？』
……脳内から離れてくれない低くてちょっと掠れた声。
一瞬だけ、甘い期待をしちゃったことは死んでも内緒にしておこう。
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あやめ(プロフ) - るなさん» コメントありがとうございます！……見切り発車した秘密のお友達、ご期待に応えられるか分かりませんがこの先も見守って頂ければと思います。笑 (1月20日 4時) (
レス) id: 76de914c7b (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - お話大好きです！渡辺くんとの関係を知ったふっかさんのリアクションが気になります笑笑 これからも楽しみにしてます！ (1月19日 20時) (レス) @page42 id: 35fcb02ad2 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - まぷさん» まぷさん、ありがとうございます ; ; 全部…嬉しいです。こうやってコメント下さって私が認識してしまったのでもう勝手とは言わせませんよ( ⩌⤚⩌)笑 これからもどうぞよろしくお願いします…！ (1月10日 19時) (レス) @page18 id: 2dd2e7231f (このIDを非表示/違反報告)
まぷ(プロフ) - あやめさんのお話全部読ませていただいてます！勝手にめちゃくちゃファンです、、♡更新楽しみにしております！ (1月9日 22時) (レス) id: a95612f43b (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - 美紀さん» 前作に引き続き、コメントありがとうございます ; ; 糧になったので新作、始めちゃいました。笑 これからも楽しみにして頂けるよう推敲に励みます！ (1月6日 19時) (レス) id: 5b6428e648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやめ
| 作成日時：2024年1月6日 7時
